バンコクマインド

タイの過去現在未来と音楽映画書籍の旅

私は吸血鬼じゃなくて吸血美人なのよ~"MARY, MARY, BLOODY MARY"

 

これはちょっと毛色の変わった

ホラー/サスペンス映画ですね。

アメリカとメキシコの共同製作で

監督はメキシコ人のファン・ロペス・モクテズマ

俳優陣は米&メキシコの混成チームです。

 

主演のクリスティナ・フェラーレは

メキシコに住んでいるアメリカ人女性。

新進画家として注目されていて、展覧会は大盛況。

 

(絵画が数多くクローズアップされますが、著名なメキシコ人女流画家、ローサ・ローゼンバーグの作品)

 

容姿も美しいフェラーレなのですが

彼女は特異体質~人間の生き血をたまらなく吸いたくなってしまう

の持ち主だったのです!

 

 

その衝動が抑えられなくなると

昼夜問わず、どんな場所でも構わず

傍に居る人間を殺して

ごくごくと血を吸い取ってしまうのです。

 

通常の吸血鬼のように昼間は眠って夜になると目覚めて~

という設定ではないわけですね。

フェラーレは吸血衝動がある時以外は

極めて常識的で品の良い振る舞いなので

その落差が面白い構図になっています。

 

 

ちなみにお約束のセクシーカットも多数。

フェラーレは

マックスファクターのCMにも出ていた人で

均整の取れたスタイルはまさにモデルそのもの。

 

 

メキシコ情緒を感じさせる場面や

 

 

時にスタイリッシュな映像処理もあったりするのですが

事件の行方を追う刑事2人組と

フェラーレが好意を抱くアメリカ人青年の

インパクトが弱いのが残念。

どちらも出番が多いので、かなりの減点ポイントになってしまっています。

 

とはいえ、この手の路線が好きな方なら

観て損はありません。

 

MARY,MARY,BLOODY MARY (1975)  Trailer

www.youtube.com

 

さて、美しい女性に血を吸われてしまうストーリーでは

 

 

中島らも

”微笑と唇のように結ばれて”

というユーモラスな短編があります。

 

こちらでは

血を吸われてしまう男はそれを承知で

大食いをすることにより

体力、ひいては命の維持に努めます。

それだけ魅力のある女性という筋立て。

 

「足りる分だけもらったら、死んでしまうかもしれない」

「かまわない」

「ほんとうにそう思うの?」

「ああ。思いきり吸ってくれ」

「ほんとにそうするわよ」

 

映像化したら、面白いものが出来そうですよね。

 

白いメリーさん講談社文庫」に収録