バンコクマインド

タイの過去現在未来と音楽映画書籍の旅

アメリカン・インディペンデントここにあり~モーリス・エンゲル&ルース・オーキンの2作

 

ともに写真家

プライベートでも夫婦だった

モーリス・エンゲルとルース・オーキンの

共同製作による愛らしい2篇を。

 

 

”恋人たちとキャンディ” (1955年)

 

舞台は1950年代中頃のニューヨーク

メインの登場人物は3人のみ。

(シングルマザー、その娘、未亡人の男友達)

 

 

起承転結がくっきりとしていて

役者さんの演技がビシッときまっている

~そういった通常の映画とは180度テイストの異なる

まるでホームビデオのような仕上がりです。

 

 

ストーリーにはほとんど起伏が無く

3人の日常を単にカメラが追いかけていきます。

 

 

その代わり(というのも変ですが)

凝ったショットが次々と。

さすがプロフェッショナルな写真家の

手によるものですね。

 

 

豪華スター競演

最新のCG効果満載

といった方向性とは真逆ですから

好き嫌いが分かれるかもしれませんね。

(私は好きですけれど)

 

(地面に写った自由の女神のシルエット沿いに走る子供)

 

scene from "LOVERS AND LOLLIPOPS" (1955)

www.youtube.com

 

 

”小さな逃亡者” (1953年)

 

 ”恋人たちとキャンディ” に先駆けて

撮影された作品で、子供が主人公なのは同じ。

ただ今回は男の子なので

よりメリハリがついてますね。

(元気に動き回る)

 

 

コニーアイランドがメインのロケーションなのですが

異常に混雑していてびっくり。

当時のニューヨーカーの気軽なリゾート地としての

人気のほどが窺えます。

(昭和の頃の江の島みたい)

 

 

やはり

センスのよいカットがてんこ盛り。

 

 

トリフォーはこれらエンゲルの作品について

「彼なくして私たちのヌーヴェル・ヴァーグは決して生まれなかっただろう」

と最大限の賛辞を寄せています。

 

オーキンの健康状態などもあって

二人の共同作業による映画はこの2本だけですが

映画好きの方なら一見の価値あり。

機会がありましたら本編を

是非に。

 

scene from "THE LITTLE FUGITIVE" (1953)

www.youtube.com