バンコクマインド

タイの過去現在未来と音楽映画書籍の旅

現場は大混乱&評価もボロクソ、でも悪くないよね・・・"THE LAST RUN"

 

映画は規模の大きいプロダクションなので

製作段階で”揉める”ことがありますが

この作品はその最たるものだったようです。

 

当初は名匠ジョン・ヒューストンが撮る予定でしたが

主演のジョージ・C・スコットと息が合わず監督を降板。

脚本の修正にも手間取り、役者の交代も頻繁に発生。

 

結局リチャード・フライシャーが引き継いで

なんとか完成させたのですが

評論家筋からの受けは悪く、商業的にも大コケ。

流れ的には散々なのですけれど

私はかなり良い映画かなと思うんですね。

少なくとも駄作ということは無いですよ。

 

 

舞台はポルトガル

ベテランの「逃亡請負屋」ジョージ・C・スコット

脱獄囚のトニー・ムサンテと恋人のトリッシュ・ヴァン・ディヴァーを

フランス国内まで送り届けるミッションを依頼されます。

 

 

ムサンテは自己中な性格で

スコットは内心穏やかではありません。

 

 

三人の仲は険悪になることもあったのですが

なんとかフランスへ出国成功

しかし組織から用済みとなっていたムサンテは

ディヴァーともども殺害されそうに。

スコットは辛くも二人を救出

ポルトガルへ戻り、船でアフリカへ向かう算段をつけます。

 

(道中、スコットとディヴァーは惹かれ合い一夜を共にする)

 

アフリカ行きの船に

ムサンテとディヴァーが乗り込むまさにその時

組織の殺し屋が迫ってきました・・・

 

 

スペインとポルトガルのロケシーンが美しく

ロードムービーとしても楽しめます。

 

 

アクションシーンも手を抜いていませんし

カーチェイスの迫力も充分。

(というよりこの手の映画のなかでも相当に観応えがあるほうでは?)

 

 

ジョージ・C・スコットの人物造形も

バランスが取れているんですね。

極端に無口とか威圧的な態度に終始すると言うことは無く、

必要なことはしっかり伝えるし

世間話にも応じる。

程よいマナーがあるんですね。

 

 

監督のリチャード・フライシャー

日米合作の大作 ”トラ・トラ・トラ” (1970年)で

黒澤明とチャンチャンあったばかり。

~注文をあれこれつけたのは黒澤監督だったのですが

 

一方ジョージ・C・スコットは撮影中に

ディヴァーと不倫関係となり

その後に結婚。

(スコットの当時の奥さんも女優、チョイ役で本作に出演しています)

 

映画も

実生活も

皆さん、てんやわんやだったということで・・・

 

scene from "THE LAST RUN" (1971)   

www.youtube.com