
ロスアンゼルスの風光明媚な郊外エリアに
暮すジョーン・ベネット。
海外赴任中の夫に代わって
一家を守る頼もしいお母さんです。
(家計簿なども几帳面につけるタイプ)
しかし17歳の娘(ジェラルディン・ブルックス)が
悪い男に引っ掛かってしまい
手切れ金を要求されます。
揉み合いになっているうちに
相手の男が転落死。
ブルックスは恐ろしさのあまり
家に閉じこもり状態。

そこに死んだた男の仲間(ジェームズ・メイソン)が登場。
一見優男なのですが
要求金額がはるかに高額になっています。
「これ、なんだか分かります? お宅の娘さんが死んだ仲間に書いたラブレターですよ。世間に公表したらとんでもないスキャンダルになるでしょうねえ」

ベネットは貴金属を質に入れて
なんとか現金を用立てするのですが
相手の言う額にはまったく足りません。

質屋などに来たことがないベネット、預かり証を受け取らずに店を出ようとして呼び止められるお茶目なシーン。
「主人は留守ですし、これだけしか用意できなかったんです」

ベネットとメイソンを不審そうな目つきでチラ見する女の子が効いてますね
それを聞いたメイソンが意外な返事を。
「いいですよ、それで充分です。不足分は私が・・・」
実はメイソンはベネットに恋心を覚え始めていたのですね。
しかしメイソンには別の悪友(ロイ・ロバーツ)が居て
優柔不断なメイソンに怒りの矛先を向けます。
「そんな甘っちょろい態度じゃ困るな、お前に無理なら俺がその女を・・・」
監督はドイツ出身のマックス・オフュルス。
流麗なカメラワークで知られる人ですが
本作でも実にスムースなシークエンスを連発。
(カットをぶつ切りにせず、長回しで人物の動きを追う)




人の出入り、視線の動かし方の按配など
実に上品でスマート!


50代の若さで亡くなりましたし
あちこちの国(フランス、イタリア、アメリカ・・・)で
製作を続けたので、
一般的な知名度が高いとは言えませんが
まさに匠の技をもった映画名人の一人。
是非にご覧ください。
THE RECKLESS MOMENT (1949) Trailer