ラブ&ロマンス映画
実はあまり観ていません。
無意識に避けたりしていて。
理由?
あまりにシンプルですが
若い時分(今でもですが)モテなかったからでしょうね。
「俺には縁の無い世界の話なんだ」
とひがみ根性がありあり。
だから美男美女がどんなに情熱的な恋愛物語を
繰り広げても、なんの感慨も湧かないという。
しかしこの作品は例外。
あまりに良く出来ているので
(脚本、撮影、演技全て)
何度でも観返しまちゃいますね。
ニューヨークの保険会社に勤めるジャック・レモン
大部屋勤務の平社員ですが、
上役連中の”浮気用ルーム”に自分のアパートの部屋を提供して
点数を稼いでいます。
そんな彼が好意を寄せているのが
エレベーターガールのシャーリー・マクレーン
ところがなんと、自分の部屋を使っている上役の一人が
彼女を愛人にしていたのです。
将来に希望を見出せない彼女は上役が帰った後に自殺を試みます。
その後、部屋に戻ってきたジャック・レモンは
アパートの隣室に住む医者夫婦の力を借りて、彼女を懸命に介抱します。
そんな彼の実直な態度に、彼女の傷ついた心が癒されていきます。
上役に媚びへつらうことで手に入れた昇進、今や彼の仕事部屋は
大部屋ではなく広々とした個室です。
しかしそんな自分に嫌気が差し、会社を去り
アパートを引き払う準備を進めます。
引っ越し準備を進めていると、そこにやってきたのは
上役との関係を清算したシャーリー・マクレーン。
驚くジャック・レモンを相手にトランプを始めます。
何か言いかけるジャックに一言。
「黙ってカードを配りなさいな」
うーん、これが映画の見本だ!
という完璧な構成であります。
主役の二人があまりにハマり過ぎていますし
脇役の出し入れがこれまた最高。
名匠ビリー・ワイルダーの1960年作品、
数多くの傑作を送り出してきた人ですが
一番脂がのっていた時期の「永遠の1本」
ですね。