バンコクマインド

タイの過去現在未来と音楽映画書籍の旅

社会派ドラマというよりも、うちのパパは世界一!という映画でしょう? ”アラバマ物語”

 

名作の誉れ高い作品ですね。

歴代アメリカ映画でも最高峰の位置づけ。

(監督/ロバート・マリガン 原作/ハーパー・リー

 

 

時は1930年代のアラバマ州の片田舎。

弁護士のグレゴリー・ペックには

フィリップ・アルフォードとメアリー・バダム、

二人の子供が居ます。

奥さんを亡くしているので、シングルファーザーですね。

 

 

多感な年頃の子供たちに

ペックは厳しくも慈愛の眼差しで接します。

 

 

前半はペック一家の日常が描かれているのですが

後半は一転、緊迫した法廷場面となります。

 

 

ペックは村の白人女性を乱暴した容疑がかけられている

ブロック・ピーターズの弁護を引き受けます。

 

 

粛々と弁護を展開するペックですが

村の白人たちはピーターズの有罪を確信していて

ペックの提示する数々の証拠にも聞く耳を持ちません。

 

 

下された判決は有罪。

しかしペックは控訴に向けて

次の歩みを始めます。

「必ず無罪を勝ち取ってみせるぞ」

 

 

長時間に及んだ裁判だったのですが

ペックの子供たちも

(白人たちの座る一階ではなく二階席で)

判決の行方を見守っていました。

 

一方、ピーターズは有罪の宣告を受けた絶望感から

刑務所への護送中に逃走を試み、警官に射殺されてしまうのです・・・

 

この後も、何者かが子供たちを襲うという事件が発生するのですが

全編を貫いているのは、ペック演じる父親への郷愁ですね。

(成長したバダムが当時を振り返るという構成になっています)

 

確かに人種差別が大きなテーマになっているのですが

その実態を告発する、糾弾するというよりも

仕事の場でも家庭においても

自らの信念を曲げず、

誰に対しても誠実な態度を欠かさないペックを描くことに

より主眼が置かれているような印象です。

(ペックはアカデミー主演男優賞を受賞)

 

 

メアリー・バダムが驚異的に演技が上手く、

また若き日のロバート・デュヴァルもチラリと登場。

 

残念なのは法廷シーンで

皆、帽子をバタバタと振っているのですが

(つまり室内が非常に暑いという設定ですね)

まったくそう見えないところでしょうか。

ここでは是非、リアルな灼熱感が欲しかったような・・・

 

"TO KILL A MOCKINGBIRD" (1962)   Trailer

www.youtube.com