バンコクマインド

タイの過去現在未来と音楽映画書籍の旅

死神の馬車に乗って、人生を振り返る旅に出る~名作スウェーデン映画 ”THE PHANTOM CARRIAGE"

 

ヴィクトル・シェストレム監督の1921年作。

後の数々の映画(監督)に多大な影響を与えた

名作です。

 

 

かつては幸せな家庭を築いていた男

(ヴィクトル・シェストレム)

 

 

酒場に入り浸るようになり

家に寄りつかなくなります。

 

 

妻(ヒルダ・ボルグストレム)とは口論が絶えず

幼い二人の娘は怯えるばかり

 

 

長男とは刑務所で

囚人同士として再会する始末

 

 

救世軍の施設で

かいがいしく世話をしてくれた優しい女

(アンナ・ホルム)にも冷たい態度を取ります。

 

 

晦日の晩

ささいなことから飲み仲間と喧嘩になり

命を落とすシェストレム

 

 

一年前に死んだ旧友のトーレ・スヴェンボルグが

死神としてやってきます。

 

 

かつてのお前は家族思いの良い男だった。

この馬車で地獄に行く前に

お前が世話になったり愛した人を訪ねてみることにしよう

と、スヴェンボルグ。

 

 

アンナは重病であと僅かの命。

死の床にあってもシェストレムの身を案じていました。

 

頼む!彼女を助けてくれ

 

シェストレムは絶叫してスヴェンボルグに縋りますが

俺にもおまえにもどうすることは出来ないと返されます。

俺たちはもう死んでいるのだから・・・

 

 

妻のもとへ行くと

今まさに毒薬で自死を遂げようとしています。

傍らには幼い娘二人が寝入っているのですが

彼女にはもう生きる気力が潰えていました。

 

 

俺が悪かった

すべて俺のせいだ

半狂乱になるシェストレム

 

地獄へ行かなければならない時が迫っています。

果たして彼の魂は

肉体とともにこの世にあり続けることが出来るのでしょうか・・・

 

監督、脚本、主演と大車輪の

ヴィクトル・シェストレムの存在感が圧倒的で

無垢の心を持つ女性~天使

を演じるアンナ・ホルムも素晴らしい。

 

同じくスウェーデンの巨匠

イングマール・ベルイマンがいかに影響を受けているかが

よく分かる逸品です。

( ”野いちご” はこの作品のノンアルコールバージョンとも言えますね)

 

"Körkarlen"    Trailer

www.youtube.com