
海外各国からも注目を集めている
フィリピンのブリランテ・メンドーサ監督の
2015年作品

本作はカンヌ国際映画祭をはじめ
多くの映画祭で高評価を受けた話題作ですね。
舞台はレイテ島のタクロバン
2013年にフィリピンの広域を襲った
超巨大台風ハイアンの爪痕が生々しく残る現地で
ロケーションが行われています。

ドキュメンタリーというわけではなく
メインの登場人物はすべてプロの役者さんで
彼らがタクロバンの住人に扮しています。

なんといっても圧倒的なのは
全壊、半壊した市街の様子ですが

メンドーサはその悲惨さを強調するというよりも
敢えてスタイリッシュ(表現が適切ではないかもですが)な
構図を次々と決め込んでいます。
あくまでドラマとしての完成度を主眼に置いているわけですね。

ノラ・オノールは軽食堂の経営者という役柄なのですが
その抑えた演技は絶品。
登場人物は肉親や住居を失って
皆、癒すことのできない心の傷を抱えています。

しかし交わされる会話は相手を慮って
努めて感情的にならないよう
穏やかな口調。
(行政の対応や救援物資の配給などについて批判的なトーンも込められている)
フィリピン人の宗教観、共同体、家族関係などについての
描写も上手いですね。

食器の持ち方が独特です。スプーンとフォークを使うのはタイと同じですが、お国柄がありますね。

ひとつひとつのカットが完成されているのみならず
その繋ぎ方(次のショットへの関連性や対比)も
計算されていて、監督の抜きんでた力量を改めて実感できる
高クオリティの97分間

機会があれば是非に本編をどうぞ。
"TAKLUB" Trailer