バンコクマインド

タイの過去現在未来と音楽映画書籍の旅

タイに行くのはお預けだ・・・

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ここ2年近く

じーっと、様子を伺っていた方も多いと思うのですが

気軽な訪タイの時期は、また遠ざかってしまったようです。

 

昨年の11月から、タイは外国人への入国(&タイ人の帰国)制限を

大幅に緩めたんですね。

まあ、クリアしなければいけない事項や手続きは依然あるのですけれど

10日とか2週間の隔離は免除されるという。

 

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で、一気に外国人訪問者が増えたんです。

(といってもコロナ前とはまったく比較にならないレベルですけど)

バンコクの街歩いていても、それは感じましたね。

在タイということではなく、観光客の姿をチラホラ見かけるようになりましたから。

 

ところが例の新変異種のニュースが。

で、先月の20日過ぎに

新規の(隔離無し入国の)予約を一斉に中止したんですね。

ちょっと様子を見ると。

 

昨日、政府発表があって

停止措置を当面のあいだ続けることに。

 

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今後の状況推移によっては、更に停止期間が延びることも

充分考えられますね。

(ここ数日、タイ国内の新規陽性者数は急激に増加中)

それに日本への帰国時にも、色々とチェック事項がありますから

「次の連休、ちょっとタイへ行ってきます」

という、”コロナ前スタイル”の旅は

まだ当分お預けですね。

 

観光、飲食関連に従事しているタイの人はガッカリ。

「もう田舎(実家)へ帰る!」

と言う人も多いですよ。

 

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ただ昨年来、ずっとオンライン学習~

友達とも遊びに行けず

ずっと家に閉じ篭りという子供たちも多いんですよね。

(親御さん含めて、そのストレスは相当なものだと思います)

 

安心して学校へ通えるようになる、

子供たちの明るい笑顔が街のあちこちで見られるようになってからかな、

外国人のフリーなタイ観光は・・・

そんな気もします。

 

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しばし

今しばらく

待てば海路の日和あり

ですね。

 

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歌唱力だけでなく、曲作りの才能にも注目~アル・ジャロウの初期作品3枚

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というわけで、

コンポーザーとしても素晴らしい作品を残した

ジャロウのファースト~サードの3作について、今日は。

 

Letter Perfect

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ジャロウのデビュー盤が1975年の

”WE GOT BY”

これはいきなり傑作で、アルの全キャリアのなかでも

一二を争う出来の良さ。

そして、全曲

自作で固めています。

 

アルはこの時点で35歳と遅咲きでしたので

それまでに書き溜めてあったのでしょうね、

捨て曲は一切無し。

 

Glow

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セカンドの ”GLOW" は翌年の発売で、

モシャ・ブラカ(ボズ・スキャッグスやチープ・トリック、ネッド・ドヒニーの作品も撮影)によるジャケ写が最高です。

 

おそらくファーストの印象が地味だったのでしょうね、

本作ではエルトン・ジョンレオン・ラッセルスライ・ストーン

ジェイムス・テイラーなど、

他の著名アーティストのカバーが増えていますが

変わらずに、それらの有名曲に負けない

自作を提供しています。

 

All

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三作目の ”ALL FLY HOME”(1978年)も

有名曲カバーが半分くらいなのですが

個人的に一番好きな、アル自作のナンバー

”All” が収録されていたんですね。

ホントによく聴きましたよ、当時(今もですけど)

素敵なナンバーだよなあ・・・

 

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これらの作品はプロデュース/エンジニアリングが

アル・シュミットかトミー・リピューマなんですね。

つまり「余計な音は足さない~削る」方向。

だからジャロウのボーカルが際立つんですよ。

 

次作以降は、「隙間のないように音で埋め尽くす」

~いわゆる80年代のサウンドになっていって

それはそれで商業的な成功を勝ち得る結果になるわけですが、

私的には初期作品により、愛着を覚えますね。

 

締めはファーストのタイトルナンバー。

この曲は、ビリー・ジョエルならば  ”ニューヨークの想い”

ボズ・スキャッグスでいえば  ”WE'RE ALL ALONE” に

相当する、生涯最高の一曲です。

ライブだと、より感動的ですね・・・

これぞエバーグリーン!

 

We Got By

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JAZZ/R&B/AOR~すべてのジャンルにおける屈指のボーカルアルバム アル・ジャロウの "THIS TIME"

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2017年に亡くなったアル・ジャロウ

スタジオ録音4作目(1980年発表)

 

私はこの人、好きでしたので

ファーストからアルバム(LP盤ですね)

ずっと買っていましたが

この作品から大きく方向転換がされましたね。

 

一言でいうとサウンドがメジャーになってるんですね。

それまでの音数を抑えた渋め路線から

グッとコンテンポラリー路線に舵を切ってます。

 

Gimme What You Got

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プロデュースのJAY GRAYDON以下

参加ミュージシャンがDAVID FOSTER, MICHAEL OMARTIAN, GEORGE DUKE

STEVE GADD, EARL KLUGH・・・と豪華な顔ぶれ。

ジャケ写は巨匠、RICHARD AVEDON撮影。

 

GRAYDONは、このアルバム以降もジャロウとのコンビが続くのですが

初顔合わせの本作がもっともテンションが高く

かつ捨て曲皆無ということで、当時は本当に愛聴盤でしたねえ。

 

アルバム最大の見せ場は

RETURN TO FOREVERの1972年作

"LIGHT AS A FEATHER"に収められていた

名曲 "Spain" の空前絶後のボーカルテクニックによる

再演でしょうか。

 

Spain

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こちらは1990年の日本でのライブバージョンですが

ジャロウ以下、バンド(オールスターといってもよいメンツですね)の

熱演も印象的。

いかにもお祭り~フィエスタという感じが伝わってきていいですね。

 

ジャロウはちょっとカテゴライズしにくい’タイプの人ですが

(フィービー・スノウもそうですね)

様々なジャンルの音楽ファンにアピールすると

思いますよ、このアルバムは。

 

機会がありましたら、どうぞ全曲通して

ご一聴くださいませ・・・

 

ところでこの人は

「無茶苦茶歌が上手い!」という評価は定着しているんですが

実はそれだけでないんですよ。

 

Alonzo

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素晴らしいメロディー展開ですけれど

アルの自作なんですね、この曲。

ボーカリストとしてだけでなく、コンポーザーとしても

もっと評価されていいかなあと。

 

このアルバムに先立つ初期の3枚にも

素敵なオリジナル曲が収録されているんです。

明日は歌い手でなく、作り手としての

ジャロウにスポットを当ててみたいと思っております。

 

ではでは。

過去も未来もすべて雪のなかに埋もれていった・・・盛らない佳作 "シンプル・プラン"

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これは良作ですね、見る価値のある一本です。

 

監督はサム・ライミ

音楽にダニー・エルフマン

配役はビル・パクストンビリー・ボブ・ソーントンブリジット・フォンダ

という強力布陣。

 

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オハイオ州の田舎町に暮らすビル&ブリジット夫婦

夫は極めて真面目で常識的な人物、

妻は妊娠しています。

 

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ビルと兄のボブ、仲間の一人は

墜落した小型飛行機の機体から大量の紙幣を発見、

山分けにします。

 

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ビルはほとぼりが冷めるまで、手をつけぬようにと

忠告するのですが、思わぬ大金を手にしたことにより

兄や友人、妻とのあいだに行き違いが起こり始めます。

 

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警察も動き始め、ビルとボブは動揺を隠せません。

果たして彼等は秘密を守り通すことが出来るのか・・・

 

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筋立てからすると、サスペンス&クライムものとして

いくらでも盛り上げて撮れるはずなのですが

サム・ライミならお手の物でしょう)

敢えてその路線は取らず、いつもは映像以上に大活躍の

エルフマンの音楽も控え目です。

 

主軸は兄と弟の確執と思いやりが交差するシーンで、

 

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兄役のボブ・ソーントンが抑えた&しかし素晴らしい演技を連発。

屈折した心情を見事に演じ切っています。

 

1998年の製作ですが、もしヒッチコックビリー・ワイルダー

生きていたらどんな仕上げにしたでしょうね。

 

原作は1993年に発表されていて、日本語訳も出ています。

(扶養社ミステリー文庫)

 

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600ページ近い長さなのですが

作者のスコット・スミスは著作時20代の若さでした。

 

タイトル通り、ストーリーの進行はシンプルです。

(勿論、単純なハッピーエンドにはなっていませんが)

コーエン兄弟作品のような「ねじれにねじれて&絡まって」

ということもなく、バイオレンスシーンも控え目なので

観易い(しかしお手軽では決してない)一本ですね。

 

どうも洋画はなあ・・・

という方にもお勧めの

手堅い122分であります。

 

予告編

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タイ料理の不都合な真実

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タイ料理、お好きな方も多いのではないでしょうか。

(私もその一人ですけれども)

 

日本でもタイレストラン、非常にポピュラー。

他の東南アジアの国々と比べても圧倒的でしょう?

インドネシア、フィリピン、マレーシア料理の店ってそんなにないですよね)

 

欧米でも同じ傾向かなと。

アメリカやイギリスに行くと、大都市でなくて郊外の町でも

タイ料理屋さん、見つかりますから。

 

やはり、人を惹き付ける魅力が色々あるという

ことなんでしょうね。

 

うん、美味しい、旨い!

のですが

今日はダークサイド~ちょっと気をつけたい点を

少々・・・

 

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まずですね、「辛い」んです。概ね。

スパイシーの意味合いでなくてソルティー

塩辛いという。

実際、相当入れてると思うんですね、

塩に加えて塩分濃度の高い調味料各種を。

 

日本人は薄口指向ですよね。

数値的な部分で気にしている(実際管理を心掛けている)

方も多いはず。

外食や持ち帰りの部屋食を続けていると、

簡単に上限を超えてしまうのではないかなあ・・・

 

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逆にね、「甘さ」にも注意が必要なんです。

タイのラーメン屋さん行きますと

卓上に ”味変セット” が必ず置かれていますが

そのうちの一つは砂糖なんですね。

で、見ていますと

入れるほうが多数派です。

バッサバッサ、振りかけてる人も居ますよ。

 

タイの人は激辛オンリーということでなく

辛いのも甘いのも、どちらも好きなんです。

なので特にお菓子とか飲料全般

あま~いですよ、大甘。

 

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それでも昔に比べると

味付けは随分淡白にはなってきてますね。

若い世代は塩辛い料理、嫌いますから。

 

ドリンク類もシュガーレスタイプが増えてきてますし。

 

一番の対応策は自炊をすれば良い、

ということなんですが。

マーケット(市場)やスーパーで新鮮な食材が手に入りますしね。

 

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でも、外食~テイクアウトの選択肢が豊富

(大袈裟でなく世界一では?)

なのが、タイの食事情の良さでもありますからねえ・・・

それを捨ててしまう、あまり利用しないというのも

勿体ないような気もします。

(温泉旅館に来て、温泉に入らないような)

 

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いずれにしても

毎日のことですからね、

甘い囁きにも塩辛い誘いかけにも

ちょっとご用心!

ということで・・・

 

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帝王マイルス・デイヴィスは、実は不器用だった?・・・

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ジャズの帝王、というより

もう名前自体が一つのブランドになっている

マイルス・デイヴィス

 

ロックのベスト・アルバムなどというランキングでも

上位に入ってくるアルバムがあったりと、

まさにジャンルを超えた存在です。

 

で、確かに次々と新しいスタイルを取り入れてるんですね、

歩みを振り返ってみると。

1968年頃が大きなターニング・ポイント。

アルバムでいうと、”マイルス・イン・ザ・スカイ” とか

キリマンジャロの娘” あたり。

 

明らかにジャズの枠組みから離れようとしているんです。

それまでと違って。

(でも、まだぎこちないところがありますね)

 

「吹っ切れた」のが、名作の誉れ高い ”ビッチズ・ブルー”(1969年)で

以降、70年代中頃の一時引退まで

怒涛の進撃。

キーワードはファンクとロックなんですけど、

どうもひっかかるというか、スッキリしない

”聴き心地”になるんですね、私。

 

というのは、そういうジャズ以外の要素というのは

マイルス本人の内部から出てくるものではなくて

バンドのメンバー達が構成しているんです。

 

マイルス自身はジェイムス・ブラウンスライ・ストーン

ジミ・ヘンドリックス、後年にはプリンスなどが

お気に入りで、自身のナンバーにサラリと引用したり

共演したりもしていますが、

実はファンクネスやロックンロール・スピリット的な要素は

マイルス、持ち合わせていなかったように思うんですね。

 

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ファンキー、ということでいえばそれは

ハービー・ハンコックロニー・リストン・スミス、マイケル・ヘンダーソン

といった、体質的に FUNK FEELING を備えたメンツに依っていると。

 

Funk Hunter    THE HEADHUNTERS

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ハービー率いるヘッドハンターズのナンバーですけど

これはもう最初の一音からファンクなんです。

マイルスのポケットには無い類のスタイルかなと。

(マイルスは演奏前に全体の構成を考え抜いて、それから吹くタイプ)

 

マイルスのソロ演奏を聴くと、

ごく初期を除いて

若い頃から基本、同じなんですよ。

もう ”マイルス印” が早くから確立されていて

本質的な変化は無いんですね。

その意味では決して幅の広いタイプのミュージシャンではない。

 

その反面、

時代の流行に敏感で絶えず新しい世代のミュージシャンを発掘

&抜群の統率力でコントロールする~

こういう「親方力」が半端なかったんですよね。

 

まったくの想像ですけどね、

一人のミュージシャンとしてのマイルスは

こういう音楽を演りたかったんじゃないかな?

 

Free Man In Paris  JONI MITCHELL

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強力なメンバーが揃っていますが、ドラムスを叩いているのは

マイルスのバンドにも在籍していたドン・アライアス。

素晴らしいの一言ですね。

 

こういった腕達者なプレーヤーが長年

入れ替わり立ち代わり、マイルスを支えて・・・

 

あっ、天国から何やら聞こえてきます。

「うるさいぞお前。分かったようなことを言うでない。ただ黙って聴くんだ。俺の音楽をな」

 

はい、その通りでございます。

大変失礼いたしました、親方。

 

これからもずっと貴方の音楽を聴きますし

大好きですよ、勿論。

 

The Man With The Horn   MILES DAVIS

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「鳥のキャスティング」が技あり!お馴染みヒッチコックの ”鳥” (1963)

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”THE BIRDS~鳥”

 

数あるヒッチコック監督作品でも

一二を争うポピュラー具合かな?

映画に興味なし、という方でも

おそらく一度は観たことがあるのではないでしょうか。

 

動物パニック映画の元祖、といった捉え方も出来ますよね。

 

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まずオープニングの掴みが上手いんですよね。

サンフランシスコ市内、既に上空には鳥の群れが(尋常では無い多さ)

ティッピ・ヘドレンはペットショップ(鳥専門ではない)に

入りますが、籠の中の鳥たちはあくまで人間にとって

安全な存在です。

 

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俯瞰シーン(野生の鳥が人間を見る視線になっています)

 

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先陣を切ってラブバードのつがいが登場。

ヘドレンの運転にあわせて、身体が傾きます。

この辺りまでは軽快なムードですね。

 

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ヘドレンはシスコ郊外の美しい湖畔の町にやってきて

ラブバードをペットショップで知り合ったロッド・テイラーの家へ

届けるのですが・・・

 

この湖のシーンは目立ちませんが

非常にテクニカルなショットで構成されていて、

ラブバードを持ち運んでいる時には

何も起きないんですね。

 

しかしヘドレンが一人でボートを漕いでいると

 

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いきなり一羽の攻撃(警告、の意味合いですね)を受けます。

鳥の種類はカモメ(この映画の主役)ですね。

 

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室内の暖炉からはいきなり雀の大群が。

 

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おっとっと、ヘドレン

笑ってしまっています。

「まだやるの?こんなものでいいかしら?」

まあ、合成シーンなのでご愛敬ですね。

ヒッチが編集段階で気付かないわけがないので

意図的に残したんでしょうね。

 

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今度はカラスです。

ジャングルジムが埋め尽くされていくシーンは名場面ですね。

 

というわけで、鳥たちにちゃんと独立した見せ場を

作ってあげてるわけですね、監督は。

ただ滅多やたらに映しているわけではないと。

扱いが人間の役者さんたちと同等かそれ以上です。

 

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湖畔のレストラン~駐車場の爆発炎上シーンは

スケールも大きくて、最大の見せ場になっています。

電話ボックスに閉じ込めらたヘドレンをしつこく撮り続けている

お馴染み ”サディスティック・ヒッチ・タッチ” も堪能?できますね。

 

この作品、実は人間ドラマのほうはかなりドロドロで

のちのデイヴィッド・リンチの ”ツインピークス

みたいな危うさ&怪しさが漂ってますが

そちらのほうの描写はちょっと中途半端というか

消化不良気味でしょうか。

(鳥さんチームにかなりの持ち時間取られてますから、仕方が無いのですけれど)

 

よそ者(侵入者)に対する地元住人の嫌悪感や拒絶感

~鳥が人間を襲うことに繋がっている

も、ヘドレンやお客が閉じ込められるレストランでの

やり取りに象徴されているわけですけれども。

 

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最終シーンでは鳥さんチームは

カラスとカモメが揃って登場。

 

この段階でヘドレンは一連の出来事のショックに耐えられず

精神のバランスを崩してしまっています。

ここにも作者(87分署シリーズで知られるエド・マクベイン)と監督の

メッセージが込められてますね。

”人間と鳥を置き換えて考えてみたら?”

という。

 

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脱出シーンですが、テイラーの手許には

冒頭部分で登場するラブバードが。

(鳥たちは襲ってきません)

 

ちょうど2時間の上映時間ですが

あと30分ほど長くしたならば

人間ドラマのパートもより丹念に浮かび上がらせることが

可能だったはずです。

 

しかしそれでは飽きられてしまう(観客に)

嫌がられてしまう(製作会社に)

可能性が高いので、この辺りが落ち着きどころかなと。

 

まあ、脇役(この映画では人間)は主役(鳥さん連合)を

より光らせるために居るわけなので

ひとまず一件落着ということで。

 

予告編

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