バンコクマインド

タイの過去現在未来と音楽映画書籍の旅

エ、エギレスやね~ 侘び寂びのUKロックアーティスト

 

私はイギリスには一回だけ

しかも数日間しか行ったことがありません。

でも音楽(ロック)を聴いていて

USAとUKの違い、というのは

なんとなく感じますね。

 

いかにもいかにもブリティッシュな香りが濃厚な

アーティストを渋めのラインアップにしてみると・・・

 

Steve Marriott (Small Faces)       Itchykoo Park

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67年のヒット曲ですけど

ティーヴ・マリオットって

この時代の最良のボーカリストですよね。

もっと有名なグループのもっと有名な人が

何人も居ますけども、この人が横綱だと思うなあ。

 

Frankie Miller      Darlin

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フランキー・ミラー

スコットランド出身の人ですが

本国でもアメリカでも商業的には成功しませんでしたね。

(大ヒットはこの曲だけ)

ロバート・パーマーとタイプが似てますけど

その意味では対照的ですねえ、ルックスの問題なのか

パーマーのほうが間口が広かったのかな。

 

Chris Rainbow    Give Me What I Cry For

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クリス・レインボウ

この人は才人ですよ、素晴らしい才能。

70年代に3枚、アルバムを発表していますが

(まったくヒットせず)

10CC、ポール・マッカートニーエルトン・ジョン

好きな人なら必聴の傑作です。

 

Mick Hucknall (Simply Red)   Dearth Of The Cool

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シンプリー・レッドはメジャーですね。

面白いのはアメリカでも人気が出た時期ありましたけど

短いんですね、その期間が。

後期の作品はアルバムもシングルもまったく売れなくなります。

でも本国イギリスでは一貫して高い人気を保っています。

こういうブリティッシュのアーティストは多いですね。

(逆ケース~米国ミュージシャンがUKで、より受けることもありますが)

 

William Lyall      Supertrader

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この人も完全無視されてましたね・・・

ボーカリストとしては弱いですけど

コンポーザーとしてはもっと評価されるべきですよ。

僅か36歳で亡くなりましたけど

長生きしていれば舞台とか映画音楽の分野で

実力を発揮できたと思うんですよね。

 

他にもいくらでも名前が挙がりますけれども

それはマニアの皆さまにお任せすることにいたしましょう・・・

 

Ronnie Lane & Slim Chance   The Poacher

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五組のカップルの心模様を描く「良き昭和の映画」、”河のほとりで”

 

戦前から多くの作品を製作している

千葉泰樹監督の1962年作。

 

傑作!というわけではありませんが

なかなか見どころのある佳作ですね。

 

 

主役は加山雄三&星由里子の若大将コンビなのですが

それに加えて

 

 

山村聰草笛光子

加東大介淡島千景

東野英治郎乙羽信子

小林桂樹池内淳子

 

と、計五組の男女のやり取りが描かれています。

 

 

山村の以前の妻が淡島だったり

(草笛の略奪婚)

加山と池内のあいだに肉体関係があったりと

結構グチャグチャな繋がりなのですが、

基本的に修羅場になることもなく

各ペアの愛情と理解が深まっていくという

ハッピーエンドです。

 

 

淡島、草笛、乙羽、池内の和服姿が

実に美しい!

新藤兼人監督の出演作では限界演技爆発の乙羽も、

気の良いバーのマダムを楽し気に演じています。

 

 

出演場面は少しですが

ウルトラシリーズ以前の桜井浩子も登場しますよ。

 

ちょっと興醒めなのがセリフ。

無茶苦茶、”かたい”んですね。

哲学論争をしているような難しい単語続出。

愛し合っている間柄&いままさに抱擁している最中にも

基本的人権」とか「人間の進歩」などという言葉が

飛び交うという。

(登場人物が全員、非常に真面目な性格設定になっています)

 

(原作は石坂洋二郎の同名小説。これはサービスカットですね)

 

なので、現代の感覚ですと

(というか、おそらく封切り当時であっても)

その仰々しさにちょっと辟易してしまうのですが

映像はひたすら美しいので

そちらを堪能するのが得策かと。

 

 

また、面白いのは

隠し事を一切しないんですね。

この5組(10人)は。

もうペラペラ、あけすけに過去の秘密を話してしまうんです。

それも各自のパートナーだけにではなく

皆で共有してしまうんです。

ちょっとこれは伏せておこうとか

男だけで、女だけでという区別も無く

自分の過ちや今の正直な気持ちの告白大合戦。

 

 

で、その告白が終わって

相手が理解してくれると

嬉しくなって、女性間でキスしたり。

 

うーむ、

昭和の良き映画というより

昭和の隠れたカルトムービー

だったりして。

天才、清水宏監督の隠れた戦後の傑作 ”小原庄助さん” (1949年)

 

これは傑作ですよ。

ランキングもの(日本映画ベスト100とか200とか)に

入っているのを見たことありませんが。

 

 

もう構図がビシバシの決まりまくり。

撮影は鈴木博(戦前のこれまた傑作 ”阿部一族”や、成瀬巳喜男監督のマスターピース ”おかあさん” を撮っているベテラン)なんですが、

戸口や襖、障子、窓越しの奥行きのあるカット割りが圧巻。

 

 

これぞ映像の快感!

画面に出入りする人物の配置も名人芸ですね。

 

 

移動撮影も多用されていますが

戦前の清水作品に見られるような

才気走った独創性といったものではなく

落ち着きが感じられる仕上がりです。

 

若き日の自作へのオマージュカットがまた素晴らしく。

 

”ありがたうさん”

 

”按摩と女”

 

主演の大河内傳次郎の朴訥としたボケ芝居に加えて

(滑舌が悪くモゴモゴしているのですが、それが妙に可笑しい)

妻役の風見章子をはじめ、

飯田蝶子田中春男日守新一の芸達者ぶりも堪能出来ます。

 

あと脚本(セリフ)がこれまた良いんですよ。

コメディ色が濃いのですが

適度にウェットな場面も挟み込んであって

全体のバランスが絶妙です。

 

(いい加減な大河内に愛想を尽かしつつ、それでも離れられない風見の心情を足元の動き~行ったり来たりで表している秀逸なカット)

 

そして、エンドタイトルがこれです。

 

 

「終」とか「完」でなく

「始」

 

もう、言うことなしの (お茶目な)逸品であります。

機会がありましたら本編を是非に。

 

(目出度い婚礼の席なのに、コーヒーとお菓子だけの食膳にゲンナリする招待客)

タイの眼鏡屋さん

 

私は子供の時分からかなりの近視

そのうちに乱視&老眼も加わって、

眼鏡とコンタクトレンズに長年、お世話になりっぱなしです。

 

昔はコンタクトって、ゴロゴロ

目の中で痛くありませんでした?

今は装用感が随分と良くなったような。

 

さて、タイは年中暑い国ですので

眼鏡のフレームとかレンズが割とすぐに

傷ついたり汚れがひどくなるような気がするんですね。

 

で新しいメガネを作ろうかなと近所の

商店街をウロウロ。

おー、メガネ屋さん何軒も並んでいますねえ。

(ローカル立地なんですけどね)

 

で、一、二軒店に入ってみて

店員さんとやり取りしたんですが

どうもスムースに話が合わず・・・

(不必要に高価なものを勧めたてきたり、出来上がりに相当日数がかかるとか)

 

 

しかし、その後に入ったショップが正解!

若い男性のスタッフが一人居るだけだったのですが、

接客が丁寧で、こちらの要望をちゃんと聞いてくれました。

(外出時はコンタクト、室内で読書やPC作業の際に眼鏡を使う等々)

 

検眼(というのかな?)チェックもしっかりやってくれて

翌日に受け取ることが出来ました。

 

 

いやいや、掛け心地もGOODです。

お値段の方は一式(フレーム&レンズ)

1300バーツ(約5000円)。

 

ボロボロになった先輩メガネさん達

お疲れさまでございました。

 

 

ニュージーランドが舞台のツボを押さえたゾンビ映画 ”ブレインデッド”

 

ロード・オブ・ザ・リング” 三部作を手掛けた

ピーター・ジャクソンの初期作品(1992年)

 

星の数ほどあるであろうゾンビ物なんですが

実に良く仕上がっています。

お客さんが何を期待しているのか、

よ~く分かってらっしゃる。

 

 

舞台はウェリントン

時代設定は1950年代後半くらいでしょうか。

のんびり牧歌的なムードが漂っています。

 

NZには1970年代後半に一度だけ

訪れたことがありますが、

確かに「のんびり感」に包まれたお国柄だったような。

今もそういったムードは保たれているのでしょうかね?

 

 

雑貨屋で働くダイアナ・ペニャルヴァー

占いで相性最高と告げられた青年の

ティモシー・バルムに積極的にアプローチ

 

 

ところがティモシーの母親エリザベス・ムーディは

息子を溺愛しており、ダイアナの邪魔をします。

二人がデートをしている動物園にもくっついていくのですが

新種の猿に噛みつかれてしまいます。

 

 

お母さん、ゾンビ化してしまいます。

 

母親思い(マザコン気味)のティモシーは自宅の地下室に

母親を閉じ込めて、人知れずになんとか面倒を見ようとするのですが

・・・

 

 

圧巻は後半30分にも及ぶ

ティモシー&ダイアナ VS ゾンビ軍団のファイト。

これでもかというほどの流血~スプラッター場面の連続です。

(時間的にも最長の部類では?)

 

 

お母さんは遂に巨大化、ジャイアントゾンビになってしまいます。

(動きが高速化するパターンは多いですが、大きくなるゾンビというのは珍しい)

 

さてティモシーとダイアナはサバイブできるのでしょうか・・・

 

見た目がかなりグロい場面もあるのですが

全編、コミカル調の作りに徹していて

エンタメ色満点。

大笑いしながら観ることが出来ます。

 

 

有名な俳優さんは出演していませんが

ティモシーの母親を演じるエリザベス・ムーディが大熱演

(キャリア後半のグロリア・スワンソンベティ・デイヴィスを足して二で割ったような)

 

また血まみれになって奮闘する

ヒロインのダイアナ・ペニャルヴァーは

スペインの女優さんで

英語圏での出演作は多くありませんが

なかなか魅力的です。

 

スプラッター色が強いので)短縮版も色々とあるようですが

せっかくですから、オリジナルの長尺バージョン(103分)

をチョイスして、

存分に「血まみれ」になりましょう。

 

Braindead  ( Dead Alive)   Trailer

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ツッコミどころが満載だ!B級SF映画を堪能しよう~”Earth vs. the Flying Saucers”

 

1956年度のアメリSF映画

とても愉快な84分間を過ごせますよ。

 

 

あらっ、なにかしら

 

 

あれが今話題のUFOじゃない?

そうね~

そうかも

 

 

大きいわね~

 

 

なかに入ってみたりして

 

 

えーと、宇宙人の被り物を

作ってみました、ハイ。

 

 

そうこうしているうちに

世界各地にUFOが出現、

地球が危ない!

 

 

大丈夫大丈夫

この秘密兵器で

UFOを操縦不能に出来るんです

 

 

そりゃー

そうかもだけど

こちらも被害甚大ざんす

 

 

私たち、バカンスまだでしょ?

いいじゃないの細かいことは。

二人で楽しめればそれでいいじゃない・・・

 

低予算であることがあまりにもあからさま。

大量のストック・フッテージ(他の映像作品)を

これでもかと流用しています。

 

アメリカの中枢ワシントンが

多数の大型円盤に襲撃されているのに

立ち向かう兵士が数えるほどしか居ません・・・

 

その他あれこれ

突っ込みネタ満載~

ワイワイ盛り上がるには

最適のチョイスであります。

 

 

けなしてばかりでは申し訳ありませんので

真面目な推薦ポイントを一つ。

 

本作には特撮の神様、

レイ・ハリーハウゼン

クレジットがあります。

 

 

確かに幾つかの箇所で

ハリーハウゼンらしいシーンもあるのですが、

後年の ”シンドバッド七回目の航海” "恐竜100万年” ”アルゴ探検隊の大冒険

ほどのインパクトは無いので

特にそこに拘る必要も無いかと。

 

だからこそ

いいんですよね

この脱力感。

B級SF映画よ、永遠なれ・・・