ベルリンで金熊賞を受賞した
今井正監督の代表作ですね(1963年)
ある家系の悲劇に満ちた歴史を描いているのですが
主役の錦之助が
戦国、江戸、明治、昭和に至るまでの過程を
七役演じ切っています。
森雅之に言い寄られる若衆役では
ちょいと無理があるような気も・・・
現代(昭和)編では意外や
軽い演技をしています。
(左は杉村春子、かなりすっぴんメイクですね)
しかしなんといっても見所は
華麗な剣使いが堪能できる中盤部分のパート。
時間も一番割かれていますし、妻役の有馬稲子が
好演です。
いってみれば私たち日本人が
”呪われたヨーロッパ〇〇王朝の数百年に及ぶ歴史絵巻”
を観るようなもので、外国人には取り分け
興味深く映ったのかもしれませんね。
同じ頃の黒澤作品と比べると、今ではほぼ顧みられることが
無くなってしまったような気もしますが
各エピソードのゲストも多彩ですし
なにより錦之助の芸達者ぶりを堪能できる
一本だと思います。