ハンク・モブレー(55歳没)
マイルス・デイビスとの共演歴もある人ですが、ブルーノートレーベルに多数のリーダーアルバムを録音しています。”やってはいけない薬” の影響で、徐々に演奏から生気が失われていく感じですね。60年代後半には明らかにテンションが⇩・・・1958年の ”ペッキン・タイム” や1960年の ”ソウル・ステーション” あたりが代表作でしょうか。下の映像は68年、コペンハーゲンでのライブですがどこか心ここにあらずといった雰囲気がありますね。ピアノ(ケニー・ドリュー)以下、リズム隊はテクニシャンが揃っています。
"Summertime" Hank Mobley
ビル・エヴァンス(51歳没)
ジャズを聴かない人にも知名度抜群のピアニストですが、エヴァンスも終生ドラッグとの縁が切れなかった人ですね。1980年9月に亡くなっていますが、その一か月前のステージ映像を見ると、痩せていますし明らかに身体的不調が窺えます。定番のナンバーですが、以前と比べると繊細さが失われて叩き付けるような弾き方になっていますね。
チャールズ・ミンガス(56歳没)
闘う巨人ミンガスは後半生にALSに罹患し、また精神的にも不調な側面があったようです。ジョニ・ミッチェルはミンガスとの共演盤を計画していましたが、実現することはありませんでした。ミンガスの死後に発表された "MINGUS" には1975年の誕生パーティーの音声が収録されています。54歳になったとミンガスが言うと、ジョニが「違うわ、53歳よ。あなたは1922年生まれなんだから53歳よ!」と何度も訂正しています。いかにもジョニらしいですね・・・
"Happy Birthday"
ファラオ・サンダース(82歳没)
2022年の9月に亡くなったファラオ(綴りからすると「ファロア」のほうが正しい発音かな?)。この人はもうやり切ったというか、自分の音楽の指向性を表現しきったのではないでしょうか。コルトレーン後期のグループに参加後、スピリチュアル色が濃い自己作品を多数制作、ボーカル入りのファンキーな曲もありましたね。80歳を越えた2020年にはエレクトロニクスのフローティング・ポイントと共演、ロンドン交響楽団をバックに、とんでもない存在感のソロを聞かせてくれました。
"Movement 1" from "Promises" Floating Points and Pharoah Sanders
Thanks to all the artists who gave us great music...