バンコクマインド

タイの過去現在未来と音楽映画書籍の旅

ジンジャーとマリリン

 

先日、マリリン・モンローの関連本を読んでいたら

「ノーマ・ジーンは青春時代、ジンジャー・ロジャースの大ファンだった。後年、このアイドルと『ウィー・アー・ノット・マリード』(1952)、『モンキー・ビジネス』(1952)で共演した」

という一文を見かけました。

 

マリリンの本格的ミュージカル映画出演といえば、1954年の

”ショーほど素敵な商売はない”(1954年)くらいで

そこにはジンジャー・ロジャースは登場しません。

 

挙げられている2本の作品に

二人の「共演シーン」ってあったかしら?

ちょっと観返してみることにしましょう。

 

 

”結婚協奏曲~WE'RE NOT MARRIED”

ではマリリンのパートは極めて短く

「お色気コーナー」の起用に留まっています。

 

 

ジンジャーは余裕綽々

コメディエンヌとしての才能を如何なく発揮。

で、マリリンとの絡みは一切なし。

これでは「共演」とは言えませんよね。

 

 

”モンキー・ビジネス~MONKEY BUSINESS”

では、ぐっとセリフや登場場面は増えるのですが

話の本筋には絡まない役どころです。

(この作品でも水着姿になったり、太ももの露出を見せつける場面あり)

 

そして、ジンジャーとの共演カットですが

 

 

確かに同じ場面で映っているシーンが幾つかあるのですが

二人が面と向かって対話を続けるわけでもなく、

ほんの一言二言のやりとりがあるだけ。

こちらも共演した、とは言い難い内容です。

 

 

対してジンジャーはこちらでも大活躍

というより、驚異的に演技が上手く

ケーリー・グラントも奮闘していますけれど)

全編、独壇場ともいえる仕上がりになっています。

 

ミュージカルスターとして圧倒的な人気を誇り、

演技派としてもアカデミー賞の主演女優賞を獲得

後年は舞台やテレビで活躍を続けたジンジャー(83歳没)

 

マリリンは生前遂にはアカデミー賞とは無縁でしたし

その演技力に対して批判も多く

スキャンダラスな最期を遂げてしまいます(36歳没)

 

今頃、二人は天国でどんな会話をしてるのでしょうね?

歌あり踊りあり、丁々発止のやりとりありの

本当の共演映画を撮っているのかもしれませんね・・・

 

 

参考図書

マリリン・モンロー 魂のかけら」

スタンリー・バックサル ベルナール・コマーン編

井上篤夫訳/青幻舎

 

「究極のマリリン・モンロー

井上篤夫編・著/ソフトバンク・クリエイティブ