渋谷実監督の1950年作品。
淡島千景の映画デビューとしても
よく知られています。
戦後間もない頃で
女優がセパレートの水着を着ているだけで
大きな話題を呼んだようですね。
淡島千景は宝塚出身でしたので
「別に恥ずかしくなかったですよ」
と後のインタビューで語っています。
ダンスのシーンもあるのですが
楽しそうにこなしています。
「君美しく/川本三郎著/文春文庫)
お話はまさに ”てんやわんや” の内容で
東京の出版社に勤める佐野周二が
上司の故郷である四国の田舎で
遭遇する数々のパプニングがテンコ盛り。
四国独立運動に熱中しているグループに
協力を求められたり
旅人をもてなす「一夜妻」の習慣に驚きつつも
相手の女性(桂木洋子)に惚れてしまったり
ド迫力の闘牛や村祭りに思わず興奮したり・・・
脇には芸達者な面々が揃っていますが
村の有力者(三島雅夫)や芸者(望月美恵子/優子)が
実にハマった演技を見せてくれます。
淡島はこの頃既に25、6歳ですので
初々しいというよりは
むしろ貫禄というか余裕が感じられますね。
(同時代の女優は20歳前後でのデビューがほとんど)
その後はお茶目な役どころから
忍ぶタイプの古風な女性像まで
幅広く演じ分けながら
話題作、人気作が続くことになります。