バンコクマインド

タイの過去現在未来と音楽映画書籍の旅

ウェイン・ショーター 宇宙に帰還す

 

ウェイン・ショーターが亡くなったと。

 

近年はステージでも座って演奏していましたしね。

御歳から考えれば決して驚くようなことでもないのですけれど。

 

 

JAZZフィールドのなかで、

というよりも全ジャンルのミュージシャンで

もっとも入れ込んで聴いていた一人でしたから

やはりショックはありましたね。

半世紀近く、頭のなかでウェインの奏でる音色が

鳴っていたわけで。

 

"THE THREE MARIAS "    with The Jazz at Lincoln Center Orchestra (2015)    

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ウェインの書く曲は

「想像上の風景をサウンドで構築した」作品が多いので

アブストラクトな響きがあるんですよね。

ですんで一聴、取っつき難い感じもあるんですが

ハマってしまうとちょっと離れられなくなってしまいますね。

音で聴く映画、なんですよ。

 

(ウェインが子供時代に描いたSF調の漫画)

 

 

ステージの風情も独特で。

吹かないんですよ(笑)

首を傾げて止めちゃうのね。

観客も緊張しちゃって。

あー、吹いた!吹き始めた!

良かったなあ~

とか。

 

"Smilin' Through" (2007)

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マイルス・デイヴィスとかビル・エヴァンス

ジョン・コルトレーンあたりは

JAZZファンでなくとも結構知られてるけど、

ウェインはあまりに個性的なので

一般的な知名度は低いですよね。

(確かに鼻歌とかで口ずさめないし)

フォロワーも皆無。

真似の仕様が無いものね・・・

 

Wayne Shorter Band  (Frankfurt 1988)

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大幅に電化されていた時期のライブですが

ドラムスにテリ・リン・キャリントン

キーボードにリニー・ロスネス

という二人の女性プレーヤーがウェインを引き立てています。

 

特に

11:35~からのウェインのソロ(スタジオ録音とは全く異なる展開)

を受けてのリニーのプレイ(17:00~20:40) は最高です。

きっと音楽の神様が憑依しているのでしょう。

テリ・リンも控え目ですけれど難しい役割をよくこなしていますね。

 

ウェイン・ショーターというと

どうしてもマイルス・デイヴィスの許にいた60年代や

70年代のウェザー・リポート時代が目立ちますけれど

その後のソロ活動の方が

真に表現したいことを自由に演奏しているように思いますね。

 

 

こんな素敵な音楽に

同時代で接することが出来て

なんて幸運だったのだろう!

 

Your great music never fade no matter how many years pass...

 

"Pnta de Areia" with Milton Nascimento (1975)

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