バンコクマインド

タイの過去現在未来と音楽映画書籍の旅

LAURA&MILES 1968/1970 二人のオンリー・ワンの微かな交差

 

ローラ・ニーロ

マイルス・デイヴィス

 

どちらも不世出

並ぶ者の無い孤高のミュージシャン。

ジャンルや年齢は違うのですが

この二人が空間を共にしたひと時が

僅かにあったのですね。

1968年から1970年にかけて。

 

 

ローラが空前絶後の傑作

”ニューヨーク・テンダベリー” を

録音していた頃、

マイルスもまた同じスタジオで

”イン・ア・サイレント・ウェイ”

の制作に取り掛かっていました。

 

 

マイルスの手にはトランペットが見えますね。

二人は同じレコード会社に所属していましたので

マイルスがその気になれば

共演の実現も難しくなかったのですが、

 

"YOU DID IT ALREADY"

 

とマイルスは一言呟いただけ。

 

「お前さんにはお前さんのスタイルがあって、充分にそれが表現されているよ。俺が付け足すとパートは無いんだ」

 

という、他者の演奏には厳しいマイルスの

最大限のリスペクトが込められています。

(マイルスが真に認めていた白人のロックミュージシャンはあと、ジョニ・ミッチェルくらいでは?)

 

Mercy on Broadway     Laura Nyro

www.youtube.com

 

二人はその後

ライブ会場では同じステージに立っているようですが

 

 

こちらも共演したということではなく

あくまで別々の登場のようですね。

 

Laura Nyro TV appearance - January 1969

www.youtube.com

 

マイルスはその後70年代に入ると

怒涛のファンクロック路線へ

ローラはレコード制作のペースが鈍り

新作発表の間が空くようになっていきます。

 

マイルスは1991年に65歳

ローラは1997年に49歳で世を去りますが

生前に一枚だけでも

がっぷり四つに組んだアルバムが実現していれば・・・

 

 

でも

この二人だと

意見がぶつかりそうだなあ。

誰か仲裁役にプロデューサーを依頼しないと。

 

ジョニ絡みで

ウェイン・ショーター

やってもらうという

手もあったかな?

 

 

しかしそうなると

一般受けはしないだろうなあ

普通のリスナーだとついていけない

種類の音楽になりそう。

 

オンリー・ワンが二人じゃなくて

三人だもの・・・