どちらも不世出
並ぶ者の無い孤高のミュージシャン。
ジャンルや年齢は違うのですが
この二人が空間を共にしたひと時が
僅かにあったのですね。
1968年から1970年にかけて。
ローラが空前絶後の傑作
”ニューヨーク・テンダベリー” を
録音していた頃、
マイルスもまた同じスタジオで
”イン・ア・サイレント・ウェイ”
の制作に取り掛かっていました。
マイルスの手にはトランペットが見えますね。
二人は同じレコード会社に所属していましたので
マイルスがその気になれば
共演の実現も難しくなかったのですが、
"YOU DID IT ALREADY"
とマイルスは一言呟いただけ。
「お前さんにはお前さんのスタイルがあって、充分にそれが表現されているよ。俺が付け足すとパートは無いんだ」
という、他者の演奏には厳しいマイルスの
最大限のリスペクトが込められています。
(マイルスが真に認めていた白人のロックミュージシャンはあと、ジョニ・ミッチェルくらいでは?)
Mercy on Broadway Laura Nyro
二人はその後
ライブ会場では同じステージに立っているようですが
こちらも共演したということではなく
あくまで別々の登場のようですね。
Laura Nyro TV appearance - January 1969
マイルスはその後70年代に入ると
怒涛のファンクロック路線へ
ローラはレコード制作のペースが鈍り
新作発表の間が空くようになっていきます。
マイルスは1991年に65歳
ローラは1997年に49歳で世を去りますが
生前に一枚だけでも
がっぷり四つに組んだアルバムが実現していれば・・・
でも
この二人だと
意見がぶつかりそうだなあ。
誰か仲裁役にプロデューサーを依頼しないと。
ジョニ絡みで
やってもらうという
手もあったかな?
しかしそうなると
一般受けはしないだろうなあ
普通のリスナーだとついていけない
種類の音楽になりそう。
オンリー・ワンが二人じゃなくて
三人だもの・・・