バンコクマインド

タイの過去現在未来と音楽映画書籍の旅

催眠術で不眠症は治ったけど、殺人犯にされちゃったの・・・"WHIRLPOOL"

 

鬼才オットー・プレミンジャーの比較的初期

1949年度作品。

 

 

精神科医の夫をもつジーン・ティアニー

なにひとつ不自由の無い暮らしぶりなのですが

盗癖~万引き癖があって

補導されてしまいます。

 

その窮地を救ってくれたのが

自称セラピストのホセ・ファーラー

 

「眠れなくて困ってらっしゃる?そんなの、僕の催眠術ですぐ治りますよ」

と言われて、試しに受けてみたところ

あらら、長年の不眠症があっという間に解決。

 

 

ところがこれはホセの罠。

暗示にかかりやすいジーンは

なんと殺人犯に仕立てられてしまったのです。

 

 

あなた!私を信じてください。

 

しかし最愛の夫や刑事は

万引き癖があり、記憶を失っている

ジーンに疑惑の目を向けるばかり。

 

このまま彼女は殺人犯になってしまうのでしょうか・・・

 

 

主役のジーン・ティアニー

社会的にも成功している夫に対して

良き妻を演じ続けることにプレッシャーを感じていたのですね。

ですので、もともと心身が弱っていたわけですが

更に暗示にかかってしまたことにより

メンタル面で追い詰められていきます。

 

心ここにあらずといった虚ろな表情

しかし必死に救いを求めている

女性の心理を上手く演じています。

 

 

刑事役のチャールズ・ビックフォードもはまり役。

夫のリチャード・コンテはちょっと弱いかな。

 

 

なにより

見るからに怪しい雰囲気を

全身から漂わせている

ホセ・ファーラーのサイコ振りが見ものです。

 

 

ちょっと印象的だったのは

リチャードの家には

ワインならぬ

レコードセラーがあるんですね。

 

これは音楽盤ではなく

(リチャードと)患者のセッションが録音されているもの。

へ~、LPレコードに?

と思ったんですが

事件に関する重要な小道具になっています。

 

 

派手なアクションシーンもなく

若干未整理な部分もあるのですが

ジーン・ティアニーホセ・ファーラーの個性で

100分近くを引っ張っている佳作であります。

 

"WHIRLPOOL"    Trailer

www.youtube.com

 

*日本語のタイトルが ”疑惑の渦巻” となっています。品質不良の蚊取り線香みたいじゃないですか。”らせん殺人” とかにしたら良かったのにね。