バンコクマインド

タイの過去現在未来と音楽映画書籍の旅

嗚呼、懐かしのエンポリアムデパートは今・・・

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年季の入ったバンコク旅行者の方なら

EMPORIUM~エンポリアムデパート

の名前はご存じでしょう。

 

今こそ街の至る所にメガ規模のモールが林立していますが

ひと昔前には、落ち着いてショッピングを楽しめる場所として

タイ人&在タイ外国人の定番スポット。

 

滞在中に店内のレストランやカフェを利用されたり、

土産物を調達された方も多かったのではないでしょうか。

 

さて、

コロナ禍における老舗デパートの姿やいかに。

 

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スカイトレイン改札に近いエントランスは閉まっています。

 

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地上階のブランドショップは

休業通達により営業していません。

 

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4階にはレストランやテイクアウトのブースが多数あるのですが

完全に閉店しているショップも多く(店内飲食は禁止、持ち帰りのみ可能)

人影はまばらです。

 

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スーパーマーケットの一画に行きますと

若干、活気が。

でもレジのスタッフは暇そうです。

 

いつ行っても混んでいた以前の姿からは

ほど遠い風景ですね。

 

このデパートは確か、2015年頃に

リノベーションを行って

一挙にお洒落~高級路線度がアップしました。

 

昔は大型CD(コンパクトディスク)ショップや

リーズナブルな値段のフードコートがあったんですよ。

お隣のベンジャシリ公園の眺めが素敵で

よく利用していたものです。

 

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10年くらい前の写真かな?

 

・・・懐古話はともかく

観光客や地元のお客さんで賑わう姿が

早く復活するといいですね。

静まり返ったフロアは

やはり、寂しいですから。

 

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女と男 妻と夫 そして生と死

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これは大著です。

頁にして650超、

内容がまた極めてヘビー。

小説家島尾敏雄とその妻、ミホとの

激烈な愛憎の歴史を克明に追った

ルポルタージュ

 

歴史上の人物や政治家、芸術家、芸能人などの

評伝は多数ありますけれど

これほど、対象の内面に迫った著作というのは

ちょっと思い当たりません。

最相葉月の諸作品や植田紗加栄の「そして、風が走り抜けていった」くらいでしょうか)

 

極端に大雑把に例えてしまうと

この二人の関係性は

ジョン・レノンオノ・ヨーコに似ていて

いわゆるソウルメイトの間柄。

 

どうにも切っても切れない

魂の繋がりなのですが

そこは男と女、

綺麗ごとばかりで済むわけはなく

実にドロドロとした展開がこれでもかと

続きます。

 

当のお二人も大変だったと思うのですが

お子さん(男の子と女の子が居た)も

さぞかし辛かったのでは・・・

という想いを禁じ得ません。

 

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著者の梯久美子には

これまた優れた著書

”散るぞ悲しき”~硫黄島で玉砕した栗林忠道の生涯を追った

がありますが、

島尾敏雄は戦争末期、

特攻兵器「震洋」の部隊長でした。

(駐屯地の奄美群島がミホとの出逢いの場所)

 

明日にも出撃~

それはイコール絶対的な死を意味するわけですが

ミホは敏雄が出航したら

自分も後を追おうと

短剣を携えて海岸に一人、正座してその時を待ちます。

しかし15日の終戦を迎えて出撃は中止。

 

二人は戦後、結婚式を挙げることが出来たのですが

不協和音は早いうちから

鳴り始めていたのでした。

 

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関西に居を構えた敏雄が仲間とともに創刊したのが

同人誌の”VIKING

その誌上に発表した作品が注目され、敏雄は本格的に作家の道を

歩むことになります。

"VIKING"には多くの優れた作家が集結しましたが

医師の久坂部羊もその一人。

 

現在に至るまで

医学知識を駆使した

多数の小説を発表しています。

 

現役医師でもある著者には実用書もあるのですが

 

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そのなかに

敏雄の友人でもあり ”VIKING創始者メンバーだった

冨士正晴が登場します。

(大の医者嫌いで無類の酒好き。散歩が身体にいいと聞くと、やめてしまう)

 

・・・こんなふうに、

なんらかの繋がりを軸にして

書籍の海をあちこち遊泳してみるのも

楽しいものです。

(音楽もそうですね。プロデューサー、アレンジャー、ミュージシャン繋がりで関連ディスクを追っていく)

 

難点は重度の睡眠不足になってしまうことでしょうか、

もう目が真っ赤です・・・

 

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菅井一郎と杉村春子の演技に唸る、豊田四郎監督作品 ”小島の春”

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戦後に

夫婦善哉

”猫と庄造と二人のをんな”

などの名作を送り出した

豊田監督の1940年度作品。

 

主題は

当時業病と恐れられていた

ハンセン病です。

 

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ハンセン病については多数の著書がありますが

上掲の書籍は、

療養所のなかに更に”隔離施設”が設けられたことによる

患者の受難の歴史にスポットを当てています。

 

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いのちの初夜” で知られる北條民雄

自らの罹患体験をもとに

多数の短編を残していて、川端康成からも

高い評価を受けています。


映画におけるハンセン病の描写としては

大作 ”ベン・ハー”(1959年)に登場する場面が

よく知られていますね。

 

www.youtube.com

 

戦車競走のシーンが有名ですが

多分、テレビの映画劇場だと思うのですけれど

小学生の頃(1970年代中頃)に観た記憶があります。

テレビでの放映は日本語の吹き替えになっていましたが

”(私の身体は)汚れています、汚れています”

というセリフになっていたような。

半世紀近く前のことなので、はっきりとしたものではないのですが。

 

パピヨン”(1973年)にも

逃走中のスティーブ・マックイーンを匿う

患者の集落が登場します。

(食料やボートの提供を受けたマックイーンは自由への旅を続けることが可能に)

 

www.youtube.com

 

これらの作品は全体のストーリーのなかで

一つのエピソードとして扱われているわけですが

”小島の春” は、真正面から患者の生活を映していきます。

 

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療養所の女医、夏川静江は

瀬戸内の島々を巡り

患者に入寮を勧めます。

 

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患者たちは

人里離れた小屋で暮らしていたり

座敷牢に閉じ込められていて

一般の日常とは隔絶された日々を送っています。

 

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現代の視点からすれば

ハンセン病への理解や患者への接し方などについては

明らかに間違っている箇所も多く

(効果があまり期待できない大風子油が写るショットもあり)

その意味では時代を感じさせる映画ではあります。

 

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この映画を単なる過去の作品とさせていないのは

夫婦役を演じる

菅井一郎と杉村春子

入魂の演技。

 

登場場面が多いわけではないのですが

観る者に強烈な印象を残します。

 

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また、

瀬戸内海の穏やかで美しい風景や

俯瞰ショットを駆使した

影技術も素晴らしく

完成度の高い一本ですね。

 

高峰秀子は ”小島の春” を観た感想を次のように述べています。

 

”私はうめいた。「これこそ演技だ!私が求めて、見たこともなかった芝居がここにあった!」<中略> それが杉村春子という女優と私との出会いであった。私は杉村春子の演技に、雷に打たれたようなショックを受けた”

(「私の渡世日記/文春文庫」より)

 

今から80年以上も前に製作された映画です。

 

しかし、

未見の方が居られましたら

機会がある折にでも

是非。

タイ、コロナ感染重症者数が世界ランクでワースト10入り

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10位 ロシア

9   チリ

8   タイ

7   イラン

6   アメリ

5   メキシコ

4   アルゼンチン

3   コロンビア

2   ブラジル

1   インド

 

さて、これはなんの順位でしょうか。

東京オリンピックの予想獲得メダル数などではなくて

現時点(7月13日)のコロナ感染による重傷者数の

ワーストランキング。

ちなみに人数でいうと

タイは3042人、日本は424人で31位です。

*引用  worldmeters 

 

昨年、欧米各国が苦しんでいた頃には

タイは確か全国で重症者の数が一桁だったはず。

他のアジア諸国も概ね

現況、厳しい事態に直面していますね。

 

でも、とかくこういった統計上の数字というのは

実情と乖離しがちなもの。

重傷者の定義なども国によって異なるでしょうし

単純な比較というのはあまり意味がないことも多い。

 

では実際の肌感覚というんでしょうか、

タイの人の捉え方はどうでしょう?

 

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去年の第一波の頃は

「得体の知れない恐怖感」を抱いていた人が

多かったと思うんですね。

 

しかし現状は、感染の可能性が確実に身近に迫っている~

知り合いが

ご近所が

同じアパートメントやマンションの居住者が

親戚が

実際に陽性となり、医療機関に入院している。

それどころか病床が足りず

自宅待機中に亡くなる例も発生しています。

 

バンコクおよび近郊県

地方の自治体でも陽性者数が多く出ているところでは

より厳しい制限措置を取り始めていますが

短期間での事態収束はちょっと厳しいかもしれません。

 

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バンコク市内には

在住の日本人がよく利用する

飲食店や本屋など立ち並んでいる一画があるのですが

去年のロックダウン時には営業していた 店舗でも

今回はクローズしているところが目立ちます。

 

タイの人も

可能な限り外出を控えるという割合が増えていて、

食事を一緒にする際も

食器を使い分けるなど、皆

神経を尖らせています。

 

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スーパーマーケットなどの在庫は豊富で

品不足や長時間の行列を強いられるといったことはありません。

(私自身は昨年来、食料品や生活必需品の入手に困った経験は無し)

もともと屋台や露店、カジュアルな食堂が多数あって

持ち帰り~部屋食の選択肢も豊富です。

 

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ただ、夜間外出禁止や県境を越える移動規制を

含む状況が長期化すると、

そのリカバリーには多大な労力と時間がかかってしまいそう。

 

今がまさに

剣が峰

ですね・・・

 

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この素敵な女性バックアップ・ボーカリストは誰だ?

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男所帯のバンドや男性シンガーのゲストとして

女性(のコーラス)が居ること、ありますよね。

いわゆるバックアップボーカル。

 

通常、スポットライトが当たることもなく

クレジットもあったりなかったり。

でも素敵な人、多いんですよ。

今回はそんなアーティストを何人か。

 

Tin Soldier       SMALL FACES

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60SのUKロック最高峰

スモール・フェイセス。

ティーブ・マリオット、たまらんですね~

その横の女性ボーカリストも目を惹きますよね。

 

この人は P.P.Arnold という

現在でも活動中のベテランアーティストで

ソロ作品も相当数発表しています。

 

The First Cut Is The Deepest     P.P.Arnold

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いや~、歌唱力ありますねえ。

 

では次は70年代にいきまして、

 

Get Closer     SEALS&CROFTS

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シールズ&クロフツという

アメリカの男性デュオグループが

全米トップ10に送り込んだヒット曲(1976年)

 

ゲストに迎えられているのが

キャロリン・ウィリスというシンガーなんですが

1970年代前半には

ハニーコーンというグループに在籍していたんですね。

 

One Monkey Don't Stop No Show     HONEY CONE

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女性3人組で、いずれもリードが取れる実力者揃いでした。

(このクリップではキャロリンは右)

センター位置のエドナ・ライトは

残念ながら、昨年亡くなりました。

ちなみにお姉さんのダーレン・ラブも

フィル・スペクターに重用された、有名なボーカリストでしたね。

 

さて最後は御大、ブライアン・ウィルソン

スタジオライブ映像。

 

Forever She'll Be My Surfer Girl    BRIAN WILSON

www.youtube.com

 

ブライアンのソロ作ではベストな仕上がりの

”ラッキー・オールド・サン”(2008年)の収録曲ですが、

ブライの肩越しでまさに優しく

バックアップしているのが

テイラー・ミルズ。

 

バンド内の紅一点で、女優さんのような華やかさがありますね。

この時のメンツの来日公演を観に行ったことがありますが

ステージでも目立っていましたよ。

 

www.youtube.com

 

こうやって、主役ではない

バックアップのメンバーを辿って

聴いていくのもなかなかに楽しいものです。

他にも素晴らしいアーティストが大勢居ますけれども

また、機会がありましたら

取り上げてみることにしましょう。

 

Melody    TAYLOR MILLS

www.youtube.com

 

日本人なのにどうしてこのバンドを知っているのか?・・・バンコクのパブの一夜

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バンコクには音楽を楽しめる店が色々あって、楽しいのです。

一年中寒くないから、オープンスペースで生演奏とかも聴けますし。

私が時々行っていたのは

カウンターオンリーの小さなパブ。

好きな音楽を選ばせてくれるんですね。

 

しかし長引くコロナ禍で、これらの店は

壊滅状態。

以下のお話は、それより前の

古き良き日々のお話です。

 

ある日

何気に曲を流していたら・・・

 

SPARKS    This Town Ain't Big Enough For Both Of Us

www.youtube.com

 

シニアの白人男性がつかつかとやってきて

”君はタイ人か?”

と。

 

”いや、そうではないです。日本人です”

と答えたところ、

 

”なに?どこからどうみてもタイ人じゃないか。

まあ、そんなことはどうでもよい。

何故、君はこの曲(バンド)を知っているのだ?

今、私は驚いているのだ。

バンコクのバーで聴けるとは!”

 

と興奮気味に。

うーん、でもスパークスは日本でもLP出てましたし

極端にマニアックでもないですよ。

 

”なに!それは本当か?

君等に(アジア人ということでしょう)、良さが分かるのか?

それは信じられない。いかにも信じられないぞ

ブツブツブツブツ・・・”

 

うー、やや疲れるなあ(苦笑)

こういうことはままあるんですけどね。

 

さてこのやり取りを、お隣に座っていた

やはり白人男性がつまらなそうに聞いています。

 

ちょいと話を振ってみると、

イギリスはウェールズのご出身。

50代後半ということなので

デイビッド・ボウイ、ジェネシスXTCなど

適当に引っ掛かりそうなUKアーテイストの名前を挙げると

ますます興味なそうなお顔に。

 

”えーと、どのような音楽がお好きで?”

 

”僕はね、ロック嫌い。なんたってブルースなんだよ、ブルースが一番”

 

B・B・キングロバート・ジョンソンマディ・ウォーターズ

ハウリン・ウルフ・・・と話が止まりません。

 

”さあ、小賢しい商業主義の音楽ではなくて、ホンモノを聴こうじゃないか!”

 

ウッ、いかん。マニアだ。

ファンではなくて。

気持ちは分かる、分かりますよ。

完全に同意します。

 

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しかし、パブやバーでずっと流すのはどうかなあ、

他のお客さんも居るわけだし

店のスタッフも退屈してますよ。

 

MUDDY WATERS     Rolling Stone

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そこに、いかにも上機嫌に酔っぱらった

これまた白人男性が

”ワシはね、こういうのが大好き。(タイ人の)ワイフも好きだから”

と。

 

YINGLEE       Chewit Dee Dee

www.youtube.com

 

あっ、これは別の意味で危険。

店のスタッフさん、全員踊り出しますよ。

そうなったら止まりませんよ~

 

こういう小さめのカウンターバーでは

こんな感じの曲がちょうどいいんじゃないかなあ。

会話もお酒も程よく楽しめるでしょ?

 

BOBBY CALDWELL       Break Away

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カウンターの隅に居た

黒人男性が、

"GOOD JOB"

とニッコリ、微笑んでくれたのでした・・・

ミュンヘンオリンピックの金メダル & ”ブラック・サンデー”

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1972年に開催されたミュンヘンオリンピック

各競技で一番印象に残っているのが

松平監督率いる男子バレーボールチームの優勝。

 

当時はテレビで ”ミュンヘンへの道” という

アニメーションと実写パートを組み合わせていた番組があって

盛り上がっていたんですよ。

私はそれほどスポコン系の番組に関心なかったんですけど

これは毎週見ていた記憶があります。

主題歌のシングルレコードも買いましたね。

 

www.youtube.com

 

熱い熱い歌詞は、阿久悠ですね。

大古、横田、森田、南、猫田・・・

半世紀経った今でも選手の苗字

出てきますねえ。

 

この大会は

 ”黒い九月事件”~

選手村に侵入したパレスチナ組織によって

イスラエルの選手団のうち11名が命を落とすという、

ショッキングな事件が発生したことでも知られています。

 

大会自体は中止とならず、一時中断のあと再開されましたが

イスラエルは報復作戦をその後

世界各地で展開していくことになります。

 

関連する書籍や映像作品のなかでは

スピルバーグ監督の”ミュンヘン”(2005年)が

よく知られているでしょうか。

 

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こちらは

羊たちの沈黙”で知られる

トマス・ハリスのデビュー作、 ”ブラック・サンデー”(1975年)

2年後にジョン・フランケンハイマー監督によって

映画化されています。

 

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ベトナム戦争の体験によって屈折した心情を持つに至った

アメリカ人(ブルース・ダーン)が

パレスチナ人女性(マルト・ケラー)の協力を得て

大観衆の集まるスーパーボール会場でのテロ行為を計画します。

 

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爆弾を運ぶ輸送機関はなんと

巨大飛行船。

 

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計画を事前に察知したモサドイスラエル諜報特務庁)チームの

ロバート・ショウらは

その阻止に全力を尽くします。

 

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自ら飛行船を操縦するブルース

 

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遂に飛行船は会場に到着、

果たして大惨事は防げるのでしょうか・・・

ということで詳しくは本編にてお楽しみください。

 

特撮のシーンは、今のCGを見慣れている眼からすると

ちょっと稚拙に感じられるかもしれませんね。

見どころは、ブルース・ダーンロバート・ショウ

演技合戦。

そして冷徹な女性コマンド役を演じるマルト・ケラーが素晴らしい。

(ブルースは精神的に脆いところがあり情緒不安定なのですが、マルトは計画完遂に向けて迷いがありません)

 

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フランケンハイマー監督は

本作の前に ”フレンチ・コネクション2” を撮っていますので

まさに脂がのった時期だったのでしょうね。

 

日本でのロードショー公開は

当時、治安上の理由で見送られたようですが

三人の芸達者の演技を見るだけでも

一見の価値ありですよ。

 

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