今年はオリンピックイヤーですね。
(今のところは、ね・・・)
こちらは前回、1964年の東京オリンピックの公式記録映画。
名匠、市川崑が総監督を務めています。
冒頭のシーンからして
単なるスポーツ記録映画でないことが
伝わってきます。
カメラは競技の様子や結果、記録よりも
選手の顔や筋肉そのものを追っていきます。
ですので、どの国がどれだけメダルを取ったのか
といったようなことは一切分かりません。
3時間近い作品ですが
映像に工夫が凝らされており、見飽きることはありません。
トレードマークの煙草をくわえながら
インタビューに答える後年の市川監督。
”競技自体もそうなんだけど、試合前後の選手の表情を丁寧に撮りたかった”
という趣旨の発言があります。
ところで当初は、かの黒澤明が監督として予定されていたこともあったとか。
黒澤版だと、どんな仕上がりになっていたでしょうね。
市川監督によると、撮影には規制が多く
思ったように撮れなかった場面が多かったとのことですので
怒りだしちゃうんじゃないですかね、黒澤さんだと。
”うまく撮れなかったからさ、もう1回やってくれる?”
なんて。