昨日は小津安二郎監督のローアングル云々のトピック。
で、ちょっと考えてたんですね。
「洋画ではどんな作品があるかな、カメラ目線が低いものって」
そうするとあまり無いんですね、思いつかない。
そもそも畳とかじゃないですからね、室内。
床に布団を敷いて寝る
なんてこともないわけで。
テーブルと椅子にベッド。
もともと目線が高いわけですよね、日本に比べると。
それに室内でも靴脱がないし
立ったまま会話してることも多いですから、欧米は。
でもありました、超ローポジションの作品が。
”裁かるるジャンヌ”(1928年)
ジャンヌ・ダルクをテーマにした映画って
後年たくさん作られますけど
これは凄いですよ、まさにワン&オンリーの世界。
英雄としてのジャンヌ、勇ましい戦闘場面などは一切カット。
異端尋問の場面が延々と写し出されます。
しかも徹底的にカメラは仰角。
苦悩に満ちたジャンヌの表情のアップに
観ている側は押しつぶされそうになります。
火刑に処せられるジャンヌ
それを”楽しみに”待っている群衆の姿が
対比的に描かれます。
観終わったあとの感想は正直ヘビーです。
彼女や彼氏と二人で?
ポップコーンを頬張りながら?
・・・まったく不向きです。
しかし映画史に残る圧倒的な作品であることは間違い無し。
数々のランキングでも高い評価を受けてますし
私的ベストでも間違いなくトップクラス。
まだ観ていない方が居たら、是非是非
お一人様でどうぞ。