バンコクマインド

タイの過去現在未来と音楽映画書籍の旅

異色かつ大傑作、そして超ローアングルな名画 ”裁かるるジャンヌ”

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昨日は小津安二郎監督のローアングル云々のトピック。

で、ちょっと考えてたんですね。

「洋画ではどんな作品があるかな、カメラ目線が低いものって」

 

そうするとあまり無いんですね、思いつかない。

そもそも畳とかじゃないですからね、室内。

床に布団を敷いて寝る

なんてこともないわけで。

 

テーブルと椅子にベッド。

もともと目線が高いわけですよね、日本に比べると。

それに室内でも靴脱がないし

立ったまま会話してることも多いですから、欧米は。

 

でもありました、超ローポジションの作品が。

 

デンマーク出身のカール・ドライヤー監督の

裁かるるジャンヌ”(1928年)

 

ジャンヌ・ダルクをテーマにした映画って

後年たくさん作られますけど

これは凄いですよ、まさにワン&オンリーの世界。

 

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英雄としてのジャンヌ、勇ましい戦闘場面などは一切カット。

異端尋問の場面が延々と写し出されます。

しかも徹底的にカメラは仰角。

苦悩に満ちたジャンヌの表情のアップに

観ている側は押しつぶされそうになります。

 

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火刑に処せられるジャンヌ

 

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それを”楽しみに”待っている群衆の姿が

対比的に描かれます。

 

観終わったあとの感想は正直ヘビーです。

彼女や彼氏と二人で?

ポップコーンを頬張りながら?

・・・まったく不向きです。

 

しかし映画史に残る圧倒的な作品であることは間違い無し。

数々のランキングでも高い評価を受けてますし

私的ベストでも間違いなくトップクラス。

まだ観ていない方が居たら、是非是非

お一人様でどうぞ。

 

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