バンコクマインド

タイの過去現在未来と音楽映画書籍の旅

”三人の妻への手紙”&”妻への三通の告白”~ハッピーそれともバッドエンド?

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”三人の妻への手紙”~A LETTER TO THREE WIVES

ジョセフ・L・マンキーウィッツ監督の1949年作品。

 

アメリカ東部、郊外の町で暮らす三人の主婦。

ある土曜日に学校の課外活動ボランティアをするために

集まります。

 

そこへ一通の手紙が。

 

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あなた達の誰かの旦那さんと私は駆け落ちをする予定なの

 

という穏やかではない内容。

差出人はアディという名前です。

 

”まさか、それは私の夫では?”

と三人の妻はそれぞれ不安な気持ちで

過去を回想します。

 

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自分の容姿や出自にコンプレックスを抱くジーン・クレイン

 

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出世の意欲が無い夫に苛立つ自立志向のアン・サザーン

 

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財産持ちの夫を操ろうとするリンダ・ダーネル

 

どの家庭にも問題ごとがあり、言い争いもしばしばの日々を送っています。

さて、アディという女性と駆け落ちをするのは一体誰の夫でしょうか・・・

(アディは大変に魅力的な女性として設定されていますが、画面には登場しません)

 

ビリー・ワイルダーが撮ったのならもう少しコメディ色を強く、

ヒッチコックだったらサスペンスの色合いを強めたのでしょうが

どちらの要素も程ほどで、

大笑いをしたりドキドキしたりという場面は少なめです。

 

この作品はその年のアカデミー監督賞を受賞していますけれど

ちょっと大盤振る舞いかなあ、なんて気もしないでもないですね・・・

 

でも最後のカットが素敵なんですよ!

 

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それはどうぞ、本編を見てのお楽しみということで。

 

予告編

www.youtube.com

 

似たようなタイトルですが

”妻への三通の告白”

こちらは惜しくも昨年亡くなった作家、小林泰三の短編です。

 

今や初老となった一人の男が

愛し続けた妻にその想いを綴った手紙が紹介されます。

その三通の手紙は時系列を逆にして

最近のものから語られていくのですが・・・

 

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「肉食屋敷/角川文庫に収録」

 

泰三ワールド全開、映像化が非常に難しそうな内容ですが

もし練りに練って作り込めば

とてつもない映画になるかもしれません。

日本でよりもハリウッドで撮ったらどうかな、

シックス・センス”(M・ナイト・シャマラン監督 ブルース・ウィリス主演)

のような話題作になると思うけどもなあ。

 

ま、とにかく映像と活字の世界を

ご堪能くださいまし。