はい、こちらは大御所
ビーチボーイズの2010年代の近影。
ブライアンの後ろでにこやかに微笑んでいるのは
ブルース・ジョンストン、
グループ創成期のメンバーではないのですが
佳曲を幾つか残しています。
(個人でのグラミー賞受賞歴もあり)
この人が1960年代後半に書いたナンバーで
”DISNEY GIRLS(1957)”
というのがありまして。
古き良きアメリカの風情をテーマにした
とてもロマンティックな作品です。
歌詞中に、
Fantasy world and Disney girls
I'm coming back
という箇所があります。
”あの懐かしい日々に、僕(の気持ち)が帰っていくんだ”
とでもいったイメージなんでしょうね。
この曲は色々なアーティストにカバーされているのですが
アート・ガーファンクルの1975年発表のソロ2作目にも
収録されていて、そこでは作者のブルース自身も
コーラスで参加しています。
歌詞カードを見てみると、
But fantasy world and Disney girls
Aren't comin' back
ありゃりゃ、単語がまったくちがいますね。
これでは、あの素晴らしき日々はもう二度と戻らない
ということにになってしまって、意味合いが
完全に真逆になってしまいます。
書いたご本人がゲストで一緒に歌ってるわけで
”あれ~、俺のもとの歌詞と全然違うけど、まあいいや。
さあ、みんなで早くレコーディングしちゃおうぜ”
なんて言うわけないですよね。
これは聴き取りの問題ですね。
ロックやソウルのアルバムって歌詞(英詩)が
付いてないこと、割と多いんですよね。
なので日本盤を出す際には、
まず聴き取りをして、それをもとに日本語訳をつける
という流れになるんで、
その過程で違いが出てきたんでしょうね。
確かにネイティブの人が聴いても
聴き取りづらいことがよくあるので
新譜のときは大変ですよね。
でも、この曲の場合
オリジナルはちゃんとあるわけで
それを参照すれば、こういう間違いにはならないはず。
ヒアリングした人が
その作業をしなかった(原曲の存在を知らなかった)
というのはちょっと、残念ですね。
さてさて、曲自体の良さを味わうことにしましょう。
こちらはビーチボーイズ版ではなく
作者ブルースの弾き語り。
情感のこもった素敵なバージョンですが
さて、肝心の箇所はどう聞こえます?
もういっちょ、違うカバー
キャプテン&テニールのデビューアルバムから。
ディズニーガールに
ちゃんと会えてますよね。