バンコクマインド

タイの過去現在未来と音楽映画書籍の旅

クレージーどころかエリート集団だったクレージーキャッツ

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1960年代~70年代前半に

なんと30本もの映画が製作された

クレージーキャッツ

(スピンオフ的な作品も含む)

 

なかでも1962年の

”ニッポン無責任時代” は

日本の代表的喜劇映画として

古典的な地位を確立しています。

 

実はこの映画、

よく取り上げられるシーン

(視覚的に分かりやすいドタバタ場面)

以外の、なにげないセリフ~

植木等ハナ肇のボヤキや捨て台詞が

実に面白かったりするのですが

その辺はまた別の機会に。

 

作品を観ていて気付くのは

 

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植木が勤めることになる会社(太平洋酒)のオフィス、

非常にモダンで規模も大きい。

(撮影に使われたのは日本橋にある証券会社ビル)

 

社員の服装もあか抜けていて洗練されています。

マドンナ役の社長秘書(重山則子)など、

ファッションモデルのような出で立ち。

スタイルの良い人なので、よく似あっていますね。

 

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植木以外の配役もハナ肇が社長、谷啓が部長

社員役の他のメンバーの背広姿も違和感がありません。

 

実はクレージーキャッツのメンバー、

大卒(&中退)者が多いのですが

当時の大学進学率は男性で10%ほどではなかったかと。

 

またいわゆる名家出身の人も多いのですね。

ミュージシャンとしての技量も卓越していました。

谷啓はジャズ専門誌の人気投票で上位常連、安田伸は芸大器楽科卒業、桜井センリは作曲家としても活動)

 

先輩芸人の付き人になって厳しい修行に耐えて・・・

という経歴を辿ったわけではないのですね。

クレージーのサラリとしていてハイブロウな芸風は

(くどくなる手前で止める、極端などつきや下ネタはやらない)、

そういった出自に依るところが大きいのでしょう。

 

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伝説的コメディアン、榎本健一エノケン)は

”芸人は音楽的なギャグが分からなければならない”

といったニュアンスの言葉を残していますし、

クレージーの弟分のドリフターズ

もともとはバンドマン出身でした。

(ドリフのコントにはよく人気歌手がゲストで登場していましたが、リズムに対する感覚が優れているので、微妙なタイミングが要求されるコントにも対応できた)

 

いつの頃からか

笑いの世界と音楽のあいだには距離が出始めて

今はほぼ別モノのジャンルになっています。

 

若手の漫才やコントを見ていて

何か物足りないなあ、と感じる時があるのですが

それは多分

滑舌~言葉の応酬以外の

リズム感~身体の動きやライン

についてなのかもしれません・・・

 

おっとっと、繰り言アワーは

打ち止めにしないと。

 

お呼びでない、ね・・・こりゃまた失礼いたしました!

 

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