大女優、名女優と呼ばれる人は他にも
数多く挙げられますが
私はこの人、本当に美しいと思いますね。
一般的には戦後の小津作品に続けて出ていましたので
そのイメージが強いかな、
あるいはオロナイン軟膏の看板とか。
1938年の "半処女" (佐々木啓祐監督)では
車を運転するシーンが多いのですが
車中でのお茶目な会話
「お姉ちゃん、どこ行くの?」
「墓地」
「ぼちって?」
「お墓がいっぱいあるところ」
綺麗というより麗しい。
声がね、またいいんですよ。
キンキンしていない。
凄くソフトなのに、しっかり聞き取れるという。
着物も洋装もどちらも似合いますね。
横顔も素敵ですね。
同じく1938年製作の "風の女王" (佐々木康監督)
1992年に76歳で亡くなりますが
その年に公開されたヴィム・ヴェンダースの
”夢の涯てまでも” で
ほんの1カットだけですが
その姿を観ることができます。
同じくヴェンダースに乞われて出演した
笠智衆の言葉です。
”僕と三宅さんは夫婦役でしたが、三宅さんの出番は、僕よりもっとちょこっとです。でも、何十年ぶりかで三宅さんにお会いして、元気なお顔を拝見できただけでも、この映画に出た甲斐がありました”
小津監督の "麦秋” (1951年)
でも夫婦役だった二人、
撮影現場でどんな会話をされたのでしょうね。
主役ではなく三番手、四番手あたりの作品が多いので
あまり目立ちませんけれども
私的、邦画最高峰の女優さんであります。
こちらは清水宏監督の ”家庭日記”(1938年)
チャキチャキ姉御肌の桑野通子
いかにもお嬢様の高杉早苗
も、勿論素敵なのですが
美容院の経営者役の三宅邦子
やはり魅力的ですねえ。
しかし、戦前
今から80年以上前の作品ですが
女性のファッション、
ウルトラモダーン!