日活、というより
日本のアクション映画の最高峰
”拳銃(コルト)は俺のパスポート”
(監督・野村孝/1967年)
コミカルな役柄を強調されることも多かった
宍戸錠のシリアス一直線ムービー。
モノクロの画面が硬質さを引き立てています。
弟分には先頃亡くなった
ジェリー藤尾が好演。
得意(本業)の歌を披露するシーンもあります。
脇の役者陣も多彩な顔触れなのですが
はっきり言って、それはどうでもよろし。
宍戸のパーフェクトな肉体と
そのシルエットに酔うための一本です。
最大の見せ場は
ラスト、埋め立て地での対決シーン。
宍戸は一人で
敵に立ち向かいます。
これほど、姿かたちが決まる
俳優が日本に居るでしょうか?
宍戸は常日頃、身体のトレーニングを欠かさなかったようですが
それだけではない、持って生まれた
”筋肉が発するオーラ”を
身に纏っているような気がします。
同時期の快作(怪作)
鈴木清順監督の ”殺しの烙印”
と比べても、全体のバランスが取れていて
見応えがありますね。
(殺しの烙印 共演・真理アンヌ)
膨大な出演作がある宍戸ですが
本作は自身、もっとも気に入っている一本とのこと。
「洋画と比べるとどうも日本のアクション映画は・・・」
とお嘆きの皆様。
機会がありましたら
お手軽な銃撃シーンやチープな笑いに走らない84分間を
じっくりご堪能くださいまし。