1968年製作の”妖怪百物語”(監督/安田公義)
お馴染みの百物語をモチーフにした時代劇で
その他の脇役陣も好演で
決していい加減な内容ではありません。
しかし、大人にとってはそうなのですが
話が割と地味目なんですね。
どう考えてもターゲットは子供だと思うのですが、
(特に前半は)妖怪もほとんど姿を見せないので
小さい子達はおそらく退屈してしまうかなあと。
この後に製作された ”妖怪大戦争” は
化け物テンコ盛りでユーモラスなシーンも多い
エンタメ作品だったのですが、
それと比べると色調も暗く、全編沈んだムードです。
(レッツゴー三匹の正司の実兄、ルーキー新一が唯一のコメディリリーフ)
(ろくろ首の毛利郁子、最高ですね)
ラストも必ずしも万事解決!のハッピーエンドではないのですが
逆に「妖怪も出てはくるが、あくまで正攻法な時代劇」
として鑑賞可能と言えるかも。
さて、百物語を扱った小説やドラマなどは多数あるかと思いますが、
”奪われた心臓” 楳図かずお
極めつけは杉浦日向子の ”百物語” かと。
1986年から1993年までの長期連載(小説新潮)
の後、三分冊で単行本化(現在は合冊した文庫版あり)された
一大絵巻物です。
全ての回がまったく違うタッチで描かれており
ストーリーも個別、各話の繋がりはありません。
そのどれもが、よくある怪談話の類ではなく
イマジネーション爆発の杉浦ワールドを堪能できます。
ちょっと「この世の」レベルではないですね。
やはり、あちらの方
だったのでしょう・・・