バンコクマインド

タイの過去現在未来と音楽映画書籍の旅

評論色々、成瀬色々

 

もう亡くなられましたが

双葉十三郎という映画評論家

生涯に2万本を超す映画を観たことで知られています。

多くの著作を残されていて

私も大変に参考にさせてもらっているのですが

 

 

「日本映画 僕の300本」(文春新書)で

名監督、成瀬巳喜男の7作品が紹介されています。

成瀬監督は60数本の映画を制作しましたので

著者にとって、そのなかのベスト7ということですね。

 

面白いなあ、と思ったのは

もし自分が監督のベスト7を挙げるとしたら

まったく違うラインアップになるかなと。

試しに年代順に並べてみると、

 

噂の娘   ’35

朝の並木路 ’36

まごころ  ’39

おかあさん ’52

山の音   ’54

流れる   ’56

乱れる   ’64

 

ありゃりゃ、一本も被ってませんね。

筆者(1910年生まれ)とは世代も違いますし

好みの相違もあるのでしょうけれど

これだけ(同じ監督の作品で)

ばらけてしまうというのは・・・・

 

それだけ成瀬監督には素晴らしい作品が多いという

なによりの証しなんでしょうね。

黒澤明小津安二郎に比べると

一般的な知名度は低いのかもしれませんが

 

”省略の美”~くどくどと説明調の場面やセリフを省く

”対立回避の構図”~面と向かっての言い合いを避ける位置取り

 

の名人芸を、機会があれば是非ご覧ください。

痺れますよ~

 

噂の娘

 

朝の並木路

 

まごころ

 

おかあさん

 

山の音

 

流れる

 

乱れる

 

”乱れる”  予告編

www.youtube.com