バンコクマインド

タイの過去現在未来と音楽映画書籍の旅

名優の役者魂を見事に引き出した出色のインタビュー集

 

これは素晴らしい一冊。

「役者は一日にしてならず」春日太一著・小学館

 

芸能人へのインタビューってよくありますよね。

される側も慣れたもので

大体披露するエピソードが決まってるんですね。

適度にお笑いも交えて

予定調和でジャンジャンのことが多い。

 

そういうお手軽系とは

完全に一線を画した

中味の濃さが嬉しいですね。

 

 

登場するのはベテランの男優16人。

インタビューは2012年~2014年に行われているので

既に故人になった人も居ますね。

 

共通するのは演技に対するストイックな姿勢。

ひとつひとつのセリフやアクションをとことん

追及していくんですね、皆さん。

 

著者が出演作を細かく観てますから

質問が核心をついていて

答えも真剣度が違ってくるわけです。

通常では語らないであろう

演じるとはなにか?

役者であることの意味は?

といった点まで

各人の熱き想いが読み手に伝わってきます。

 

 

筆者は1977年生まれと

若い世代なのですが、

大御所~例えば川本三郎氏の後を継ぐ

日本映画の良き案内人の風格が既に充分

備わっていますね。

今後の著作にも期待しましょう!