バンコクマインド

タイの過去現在未来と音楽映画書籍の旅

嗚呼、あなたは年上の女性 ① 会った途端に一目惚れ~恋愛映画の定番 ”肉体の悪魔”

 

舞台は第一次世界大戦末期のパリ。

負傷兵の介護にあたる見習い看護師の

ミシュリーヌ・プレール

何故かタイトなコスチュームで

いきなりセクシー度アップ。

 

 

17歳の高校生ジェラール・フィリップ

猛然とアタック開始

二人の間に恋が芽生えます。

 

 

まるで夢のような時間を過ごす二人

しかし夢はいつか醒めてしまうのです。

 

ミシュリーヌには出征中の婚約者が居て

間もなく帰国予定。

 

 

ジェラールとミシュリーヌは

初めてデートしたレストランを訪れ

最後のディナー、そして別れのダンスを。

 

 

一人で部屋に帰ったミシュリーヌを

路上で見つめるフィリップ。

そこに足早でミショリーヌの部屋へ向かう兵士が。

 

「彼女の婚約者に違いない」

そう気づいたジェラールは声をかけます。

「煙草の火を貸してもらえますか?」

兵士は黙って応じます。

 

 

「ありがとうございます」

そう答えるジェラールの瞳に光るものが・・・

 

しかしその時

ミシュリーヌの命は尽きようとしていました。

部屋に辿り着いた兵士の手を握って

息絶えたのです。

その時に呼んだ名前は兵士のそれではなく

ジェラール、でした。

 

 

それと同時にもう一つの生命も失われました。

彼女のお腹には新しい生命が宿っていたのです。

 

 

母国の勝利に酔いしれる人々。

ジェラールはただ

亡霊のように立ち尽くすだけでした・・・

 

文句のつけようが無い

まさに恋愛~悲恋映画の古典的存在ですね。

(監督/クロード・オータン=ララ

特にジェラール・フィリップがはまり役。

実年齢は20代半ばだったのですが

ティーンエージャーの不安定な心の動きを

見事に演じています。

 

 

映画の原作は20歳で夭折した詩人、小説家のレーモン・ラディゲ。

(1903年~1923年)

私小説ではない、とのことですが

自身の体験がモチーフになっているのは確かなようです。

 

モディリアーニによるレーモンの彼女(の一人)と言われるアリスの肖像画

 

もしレーモンがこの映画を観たら

こんな感想を述べるかも。

 

「僕はこんなにハンサムじゃないよ。それからあなた(ジェラール・フィリップ)も、急ぐことはなかったのに」

 

この映画で一躍トップスターに躍り出たジェラール・フィリップですが

彼もまた36歳の若さで世を去っています。

 

"Le diable au corps" (1947)    Trailer

www.youtube.com

 

さてヒロインのミシュリーヌ・プレール

100歳!を超えて今も健在。

 

明日は齢を重ねたミシュリーヌが

更に妖艶な魅力を振りまく

1960年代の作品を観てみましょう。