"BLACK NARCISSUS" ~”黒水仙”
これはかなり有名ですね。
名製作コンビ、マイケル・パウエル&エメリック・プレスバーガー
による1947年度公開作品。
ヒマラヤのとある村に派遣された
五人の修道女~シスターを巡るお話です。
現地ロケはまったく行われていないのですが
カメラ撮影&デザインが素晴らしく
スケール感がありますね。
(アカデミー撮影賞とデザイン賞を受賞)
歴代イギリス映画のランキングなどでも
高評価を受けています。
(タイムアウト誌では16位、”2001年宇宙の旅” や ”未来世紀ブラジル” よりも上位)
でも「名作」かなあ?
私、最初はコメディ映画だと思ったんですよ。
シスター達よりも先に
この地に住み着いている英国人男性(デヴィッド・ファーラー)が
居るんですが、上半身裸で短パンなんですね。
でもヒマラヤですよ、場所。
しかもかなり高度の高い断崖絶壁。
バリ島のコテージとかじゃないんだから・・・
そんな恰好じゃ、だいいち風邪ひくでしょうよ。
変でしょ?この絵柄
シスター達に会う時もこの格好。
いったい、どこの国のどういった土地柄なのか?
まあ欧米人がアジアを舞台にして映画を作ると
どうしてもこんな感じになっちゃいますけどもね。
コミニュケーションが成立しない
サドゥー(行者)とシスター
ふと遠くを見ると
雲と同じ高さじゃないですか・・・
でもですねあなた、ホントに驚くのはまだ早い。
ラストの20分くらいで
ドーンと雰囲気が変わっちゃうんですよ。
な、なんだ
どうしたんだ
別の映画が入り込んできたのか
いきなりホラー調になるんですね。
(色彩的に非常にモダン、今から70数年前とは思えないほど)
で、次はヒッチコックを思わせる
サスペンスタッチに。
デヴィッド・ファーラーを巡って
シスター達のあいだで
嫉妬や誤解が渦巻いた結果、こうなったわけですが。
う~ん
全体としてみると
著しくバランスを欠いている印象を受けちゃうんですよね。
シスターのリーダー役
デボラ・カーはとても美しいですね。
気品があります。
デボラ・カーを襲うキャスリーン・バイロンや
現地の少女に扮するジーン・シモンズと共に
この映画で注目を集め
以降、多くの作品に出演するようになります。
そういう意味では女優さん達の「出世映画」だったのかも
しれませんね。
"BLACK NARCISSUS" (1964) Trailer