若妻ジョアン・ウッドワードが。
当初は控え目でおどおど、
俯き加減な様子だったのですが
リー・Jと会話を続けていくうちに
突然、表情や態度が一変
陽気で饒舌となり
室内で踊り出します。
彼女は解離性同一性障害~
異なる三つの人格を持っていることに
苦しんでいるのでした。
別人格の彼女は
幼い我が子の首に手をかけてしまうことも。
(遊びの延長で)
人格の交代は頻繁に発生し
手を付けられなくなった夫は
家を出てしまいます。
リー・Jとのセッション途中で
三番目の人格が出現。
リー・Jはジョアンの幼少時に
ショックを受ける出来事が起こり、そのトラウマ回避のために
複数の人格が出現するようになったのではと推測。
知的で冷静な第三の人格と対話を続けていくことに・・・
ジョアン・ウッドワードは
同一人物でありながら三人のキャラクターを
見事に演じ分け
アカデミー主演女優賞を受賞しましたが
本作は実話に基づいた映画化。
残された映像をみると
ジョアンが注意深く
演技に取り入れていることが分かります。
(映画のモデルとなった Ms.Christine Costner Sizemore)
映画はハッピーエンドで終わるのですが、
実際はそうではなかったことが
(人格の数はもっと多かった/幼少時のトラウマではなく生来の気質であった等)
本人の著作やインタビューで語られています。
監督のナナリー・ジョンソンは
一卵性双生児の心の葛藤をテーマにした
”暗い鏡”(1946年)の脚本を書いた人ですね。
本作でも手堅い演出をしていますが
医者役のリー・J・コッブは
ちとミスキャストかなと。
強面なんですね、精神科医としては。
カウンセリングというよりは
どう考えても刑事の取り調べのようで
なんでなんだよ?
どうなってんだよ?
と詰問調です。
これでは
怖くて
それこそ本当の自分を偽ってしまいそうです。
「先生、すっかり良くなりました」
などと言って・・・
"The Three Faces Of Eve" (1957) Trailer