バンコクマインド

タイの過去現在未来と音楽映画書籍の旅

演技自慢が勢揃い~ワンシチュエーション映画の渋い逸品 "GLENGARRY GLEN ROSS"

 

1992年のアメリカ映画(監督/ジェームズ・フォーリー

キャストが豪華で

 

ジャック・レモンアル・パチーノジョナサン・プライスアレック・ボールドウィンエド・ハリスアラン・アーキンケヴィン・スペイシー・・・

 

女優は一人も無し。

 

しかし戦争モノ、刑務所系ということではなく

ある不動産会社の1室が舞台になっている

ワンシチュエーション・ムービーです。

(他の場面も若干あり)

 

 

本社から来たいけ好かないスタッフに言い渡されるんですね。

ジャック・レモン以下の社員が。

成績が悪い奴はクビにする、脅しじゃないぞ

と。

 

 

娘の治療費の支払いを抱えているレモンは

懸命に顧客にアプローチを続けるのですが

まったく相手にされず。

 

 

もともと成績の良いパチーノは我関せず、

事務所の近くのレストランで

見込み客と痛飲しながら

ノンストップの営業トーク

 

 

あきらめモードの社員も居て

彼等は事務所から顧客リストを盗んで

転職してしまおうと計画。

 

 

一夜が明けると

事務所には警察がやってきて

一人一人の取り調べを行います。

(実際に盗難は起きていて、リストが事務所から紛失)

 

誰が盗んだのか?

やがて驚愕の事実が浮かび上がっていくことに・・・

 

 

原作はピューリッツァー賞受賞の戯曲で、

 

 

その後、各地(ロンドン、シカゴ、ブロードウェイ)における

舞台も高評価。

そして映画化されたという

よくある流れではあります。

 

この芝居の肝は

事務所での「出たり入ったり」なんですね。

警察に尋問される際は別室(支店長室)に行くわけです。

突然、客がやってきたりもする。

その間の社員同士の会話のずれ~揺れ動きが

見どころであり

役者さんからすると腕の見せどころなんですね。

 

 

舞台では横移動での見せ方になりますが

映画では縦方向~手前と奥の構図を効果的に

使ってますね。

 

 

役者陣はいずれも達者な人が揃っていて

なかでもジャック・レモンの演技は絶品です。

ヴェネチア国際映画祭男優賞 受賞)

 

セリフ数も非常に多いのですが

流石の貫禄を見せつけていますね。

(撮影当時60代後半)

 

 

豪華なのは俳優だけではなくて

なんとジャズ界のリジェンド

ウェイン・ショーターの演奏が聴けます。

 

 

おお、アル・ジャロウ、トミー・リピューマジョニー・マンデル

といったクレジットも。

 

 

ドナルド・フェイゲンの名前もあるではありませんか。

こちらもしかし男のミュージシャンばかりですね。

 

渋い

渋いけど豪華

豪華だが派手ではない

 

非体育会系による

丁々発止の男の闘いを

ぜひ本編でどうぞ。

 

"Glengarry Glen Ross"   Trailer

www.youtube.com

 

ちょっと一言。

 

邦題が

”摩天楼を夢みて”

 

なんじゃそりゃ?

素敵な女優さんが出てくるロマンスものならともかく・・・

ええかげんにせえよ

まったく。

 

(まあしかしオリジナルのタイトルは固有名称~しかも二つ並べてるんで、そのままでは日本人にはピンとこないのは確かですけれど。「グレンギャリーとグレンロス」じゃ覚えにくいしね)

 

(タイトルの由来は、パチーノが売り込んでいる怪しげなリゾートプロジェクト名)