仕事そっちのけで詩作に耽っています。
彼を慕うリル・ダゴファーと父親は
いつの日かアルフレッドの詩集が
出版されることを期待しています。
街をふらふらと歩いていたアルフレッド
馬車に追突されてしまうのですが
乗っていたリア・デ・プッティに一目惚れ。
なんて美しいのだろう、あなたこそ私の女神だ!
しかしその女性は上流階級の娘で
アルフレッドの出る幕ではありません。
もともと空想家だったアルフレッドは
一日中彼女のことばかり考えていて茫然自失状態。
ある晩、アルフレッドは酒場で
馬車の女とそっくりな娘に出くわします。
(リア・デ・プッティ二役)
よーし、この女の子で手を打とう。
アプローチをかけて成功。
しかしその娘は極端な浪費家で
アルフレッドはすっからかんに。
困ったアルフレッドは
叔母のグレーテ・ベルガーから金を借りるのですが
すぐに返済に行き詰まってしまいます。
進退窮まったアルフレッドはある晩
叔母の金庫から金を盗もうとし
あえなく警察に捕まり
刑務所送り。
アルフレッドには妹(アウド・エゲド・ニッセン)が居るのですが
母親(フリーダ・リヒャルト)と折り合いが悪く
捨て台詞を残して家出。
ああ、息子も娘もいったい
どうしてしまったのだろう・・・
心労でフリーダは寝込んでしまいます。
しかし改心したアウドは
病床の母親のもとを訪れ
今までの自分の行いを詫びます。
刑期を終えたアルフレッドを
暖かく迎えるリルと父親
アルフレッドもまた
二人に許しを乞うのでした。
これからはしっかり足元を見つめて生きていきます・・・
新生活を営むアルフレッドとリル。
アルフレッドはもう詩を書いていません。
過去の出来事を洗いざらい記録し
リルと過ごす幸せな毎日を
日記に綴ろうと決意したのでした。
100年前の作品ですが
現代の感覚でも違和感の無いストリー。
ドイツ表現主義の代表的作品とも言われていますが
そういったシュール&幻想的なシーンはごく僅かで
極めてまっとうなファミリードラマです。
面白かったのが
アルフレッドの勤め先のひとコマ。
(アルフレッドが遅刻しているので)
同僚が上司から叱責を受けているのですが
ぺこぺこ何回もお辞儀をするのですね。
しかも腰を折って深々と。
非常に日本的な動作に見えるのですが
一世紀前のドイツでは
こういう謝罪のポーズが
一般的だったのでしょうかね?
"PHANTOM" (1922) Trailer