バンコクマインド

タイの過去現在未来と音楽映画書籍の旅

「財前五郎」になる前の田宮二郎主演 ”黒の超特急”(1965年)

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全部で10作以上作られた

大映の”黒”シリーズの最終作。

監督は増村保造です。

 

新幹線の用地取得疑惑にまつわる人間模様がテーマなのですが

(原作/梶山季之

主要な登場人物はみな腹に一物を抱えています。

騙し、はったり、寝返りの連続で

誰もが信用できず疑心暗鬼に囚われていくうちに

皆、自滅していくという構成。

 

マドンナ役は藤由紀子、のちの田宮二郎夫人です。

 

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準主役に加東大介、無茶苦茶に演技が達者で

さすがの田宮も霞んでしまうほどの存在感。

声、セリフ回しの貫禄が違います。

 

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この年は新幹線の開業年なのですが、

映画の冒頭は走行シーン。

 

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ラストシーンも同じく。

 

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乗車中の場面もあるのですが

 

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この場面を観ていて

想い出すのが黒澤監督の ”天国と地獄”

こちらは1963年の製作なので

まだ新幹線が走っておらず、

映画で使われた車両は

在来の特急列車ですね。

 

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さて、黒澤作品では大々的に国鉄の協力があったのですが

本作ではタイトルに超特急と付いているにもかかわらず

タイアップ的なことはなかったようです。

 

まあ、話の中身が中身ですからねえ

黒ではなくて、白い超特急

なら良かったのかもしれませんね・・・