バンコクマインド

タイの過去現在未来と音楽映画書籍の旅

映画

浮気の代償は、とてもとても高くつく・・・イタリア映画 ”わらの男”

1958年の ピエトロ・ジェルミ監督&主演作。 ローマに住む熟練機械工のジェルミ 奥さん(ルイザ・デラ・ノーチェ)と子供が しばし奥さんの実家へ。 一人になったジェルミは なんとなく手持無沙汰の毎日なのですが (街で女性のグループに色目を使ったり…

映画館の大スクリーンで観たい、シシリー・タイソンの "SOUNDER"

マーティン・リット監督の1972年作品。 これはですね、家庭ではなくて 映画館で観たほうがいいですね。 いかにも正統派の映画なんですが 日本ではあまり知られていませんね。 (アメリカではアカデミー賞4部門、ゴールデングローブ賞2部門にノミネート…

80年代テイスト満載、ポップなホラー小品ムービー "CHOPPING MALL"

SHOP じゃなくて CHOP 製作がジュリー・コーマン 観る前からB級テイストぷんぷんですが 見事にその期待に応えてくれる お笑い&脱力&コーラとポップコーンが手放せない 76分間。 とあるショッピングモールで 警備ロボットを導入。 これで夜間のセキュリテ…

演技自慢が勢揃い~ワンシチュエーション映画の渋い逸品 "GLENGARRY GLEN ROSS"

1992年のアメリカ映画(監督/ジェームズ・フォーリー) キャストが豪華で ジャック・レモン、アル・パチーノ、ジョナサン・プライス、アレック・ボールドウィン、エド・ハリス、アラン・アーキン、ケヴィン・スペイシー・・・ 女優は一人も無し。 しか…

ドイツ表現主義などと言われるから構えてしまうが、ごく普通の映画 ”蠱惑の街”

ドイツ表現主義 ドイツにおいて第一次世界大戦前に始まり1920年代に最盛となった芸術運動で、客観的表現を排して内面の主観的な表現に主眼をおくことを特徴とした。 なんだそうです。 ウィキペディアによると。 なんか難しそうっすよね 癖もありそうだし。 …

海辺の詩情が漂う14分間~メアリー・ピックフォードの "THE MENDER OF NETS"

D・W・グリフィスの1912年度作品。 今からなんと111年前の映画です。 海辺の村で 漁師の父親と暮らすピックフォード。 ボーイフレンド(チャールズ H・ウェスト)が 居るのですが、 ウェストの元カノ(メーベル・ノーマンド)が 激しく嫉妬 ノーマン…

一時間でこれだけ楽しい~フランク・キャプラ&ベッシー・ラヴの "THE MATINEE IDOL"

名匠フランク・キャプラの 1928年作品。 サイレント最終期の小品ですが 小粋で楽しい映画です。 ニューヨーク郊外の田舎町の劇団、 座長の娘のベッシー・ラヴは 態度の悪い団員を首にしたため 急遽オーデイションを。 たまたま旅行に来ていたブロードウ…

リリアン・ギッシュの目力が全て~純情ラブロマンス映画 ”スージーの真心”

名コンビ、D・W・グリフィスとリリアン・ギッシュの 1919年作。 映画史上に燦然と輝く ”散り行く花” と同時期に 撮られていますが、 こちらは打って変わってほんわかのんびりムード、 ハートウォーミングな仕上がりです。 ギッシュが思いを寄せているボ…

強烈無比、映画史上に残る傑作~道化が道化を笑う "HE WHO GETS SLAPPED"

これはきてますね。 問答無用というか あまりにも圧倒的な出来映えなので 逆に寛いで観るのが難しい。 (だから一般的な知名度が低いのかも。あと邦題が酷い、”殴られる彼奴”・・・あいつ、って読めないですよね。読めたとしても語感がちょっとね) ある科学…

真面目で内気な男が悪女に出逢ってボロボロに・・・フィルムノワールの教科書 ”スカーレット・ストリート”

1930年代中頃のニューヨーク、 エドワード・G・ロビンソンは勤続25年の 朴訥な経理マン。 家では妻の尻に敷かれっぱなしで 頭が上がりません。 そんな彼の唯一の趣味は絵を描くこと。 アパート暮らしなので浴室がアトリエ代わり。 ある晩ロビンソンは…

夢は地球と宇宙を駆け巡る~映画の始祖 ジョルジュ・メリエス

映画史のごく初めに エジソンやリュミエール兄弟とともに 必ず名前の挙がるジョルジュ・メリエス(1868~1938) なかでも1902年の ”月世界旅行” は ストーリーを伴ったSF映画の最初期の作品として 高い評価を受けています。 スクールメイツ的な…

実話ベースの解離性同一性障害ムービー ”イブの三つの顔”

精神科医リー・J・コッブのもとへ 若妻ジョアン・ウッドワードが。 当初は控え目でおどおど、 俯き加減な様子だったのですが リー・Jと会話を続けていくうちに 突然、表情や態度が一変 陽気で饒舌となり 室内で踊り出します。 彼女は解離性同一性障害~ 異な…

”まだらキンセンカにあらわれるガンマ線の影響”~ポール・ニューマン監督の知られざる傑作

これは素晴らしいなと。 あまり知られていませんし タイトルも長くて訳分からん、ですが。 ジョアン・ウッドワードは夫に先立たれて 二人の娘(ロバータ・ウォラック/ネル・ポッツ) と三人暮らし。 ジョアンは口が悪く、絶えず不機嫌。 すぐに喧嘩腰になる…

「私の最低作!」大女優おおいに嘆く~精神病棟が舞台の ”残虐療法”

この女優さんは誰でしょう? いやいや 脇役のその他大勢とかではなくて かのローレン・バコールさんですよ。 んなバカな。 あのハンフリー・ボガートの奥さんでもあった アメリカ有数の大女優とは思えない・・・ まあともかく中味を見ていきましょう。 カリ…

見た目超そっくり、性格真逆の双子姉妹クライムムービー "DARK MIRROR"

おっ、面白い構図ですよね。 ”暗い鏡” という作品で あまり知られていませんけれど これは今観ても楽しめるお勧めの一本。 (1946年公開) 殺人事件が起きるんですね。 で、一人の女性が怪しいと。 しかし鉄壁のアリバイがあるわけです。 なんとですね、…

心理サスペンス映画の定番、女優陣の演技が光る ”らせん階段”

ロバート・シオドマク監督の1946年作品。 心理スリラー系(幽霊、お化けの類いは出てこない) の映画では鉄板、ベストものでは必ずランキングされる 有名作です。 私は随分以前に観た時に うーん、それほどでは? と思ってしまったんですね。 (多分途中…

監督「私の最高作」俳優「たいしたことない」・・・さて実際の出来は? "かもめの城"

フランスは海辺(といっても砂浜ではなく人里離れた断崖絶壁) の一軒家。 引退した判事(メルヴィン・ダグラス)と娘(パトリシア・ゴッジ)が 暮らしています。 家の裏手の農場にある案山子は 父親の古着で作った娘の手作り。 友達の居ないパトリシアにと…

70年前のイタリア版てんやわんや、高度差を駆使したカメラワークが光る ”パンと恋と夢”

ルイジ・コメンチー二監督の 1953年度作品。 好評で続編が何本も作られています。 最初は私 うーん、それほどは面白くはないかなと。 イタリアの山あいの村を舞台にした ドタバタコメディなんですけれど 脚本の冴えがあまり感じられなくて。 人がですね …

孤独な少女と男の純愛物語? いやいやそれはどうだろう・・・”シベールの日曜日”

”シベールの日曜日” (監督/セルジュ・ブールギニョン) 1962年のフランス映画で アカデミー外国語映画賞を受賞 キネマ旬報でもその年のベスト3に入っていますね。 ベトナム戦争帰りの男(ハーディー・クリューガー)は 従軍中に現地の少女の命を奪っ…

玄人好みの逸品、映画通が唸りまくる一時間半 ”夜行列車”

1959年のポーランド映画 (監督/イエジー・カヴァレロヴィッチ) これは教科書ですね、映画作りの。 無茶苦茶完成度が高いですよ。 細部への拘りも凄いんですけれど 状況設定がそもそも完璧なんですよね。 夜行列車に乗り合わせた乗客のスケッチなんで…

武器も得意技もない受け身の女性スパイ、ラクエル・ウェルチの "FATHOM"

”ミクロの決死圏” や ”恐竜100万年” で ブレイクしたラクエル・ウェルチをメインに据えた 「女スパイ」ものです。 (監督/レスリー・H・マーティンソン 1967年) 巻頭からいきなり 露出の多いコスチュ―ムで 観客の期待に応えようとしているのですが …

またしても WHO DO WE THINK WE ARE ?

草笛光子(女優) マリー・ウィンザー(女優・米) ドナルド・フェイゲン(ミュージシャン・米) コンラート・ファイト(俳優・独) トリッシュ・ヴァン・ディヴァー(女優・米) 酒井和歌子(女優) ホラン千秋(タレント) ドロレス・オリオーダン(ミュー…

ベタベタでメロメロ、想い出をスパイスにしないと正直キツい ”ラストコンサート”

だれかに生きる勇気を与えたとき、 天使って涙を流すのですね・・・ なんだか分かったような分からないような キャッチコピーが付いていますが この映画、かなり日本で流行ったんですよ。 1977年頃かな、 当時中~高校生の女子だったら 観た方も多いので…

レッツ・プリテンド~いかにもアメリカンな秀作コメディ映画 "GOOD NEIGHBOR SAM"

日本語のタイトルが凄いですよ。 ”ちょっとご主人貸して” まあ、そういう内容の映画なんですけれど 語感がなんともね。 サンフランシスコ郊外に暮らすジャック・レモン 広告代理店勤務で忙しい毎日なのですが 美人の奥さん(ドロシー・プロヴァイン) と二人…

田宮二郎がやったらよかったのに・・・医者に見えないジェームズ・コバーンの ”殺しのカルテ”

才人ブレイク・エドワーズの1972年度作品。 原作は ”ジュラシック・パーク” で知られる マイケル・クライトンですね。 (別名義での発表) 病理学者のジェームズ・コバーン 親友の医師ジェームズ・ホンが勤務する病院に赴任。 美しい女医のジェニファー…

アナウンサー?解説者? ノイズの垂れ流しに耳を塞ぐ

日本ではマラソンや駅伝がシーズン入り。 女子の中~長距離競技のにわかファンなので 幾つか大会の中継を見たんですけどね。 音声、消したんですよ。 無音で観戦。 自分の耳には雑音に聞こえるんですね。 解説者やアナウンサーの話していることが。 声の質と…

ALL COME TO LOOK FOR AMERICA

Let us be lovers, we'll marry our fortunes togetherI've got some real estate here in my bagSo we bought a pack of cigarettes and Mrs. Wagner's piesAnd we walked off to look for America "IT HAPPENED ONE NIGHT" Cathy, I said as we boarded a …

ウェルメイド!こういうのがいいんだよね。小さな傑作、チェコスロバキア映画 "INTIMATE LIGHTING"

これはGOODですね。 1964年のチェコスロバキア映画 (監督/イヴァン・パッセル)です。 ぶらりと入った 小さな構えの蕎麦屋さんが 思いもかけずに美味かった みたいな。 こういうカットだけで 最高じゃないですか。 ストーリーはシンプルで チェロ奏者…

愛と感動のイギリス名作映画・・・そうかなあ、マニアックな「迷作」では? ”黒水仙”

"BLACK NARCISSUS" ~”黒水仙” これはかなり有名ですね。 名製作コンビ、マイケル・パウエル&エメリック・プレスバーガー による1947年度公開作品。 ヒマラヤのとある村に派遣された 五人の修道女~シスターを巡るお話です。 現地ロケはまったく行われ…

13日の金曜日とはまったく関係ないパロディーホラー、"SATURDAY THE 14TH"

タイトルバックは 満月に遠吠えする狼 ひとしきり吠えた後、コンコンとむせてしまいます。 おっ、これは楽しめる映画かなと思いきや その期待は見事なまでに裏切られるんですね。 いわくつきの荒れ果てた屋敷に 引っ越してきた4人家族が 怪異現象に見舞われ…